テラス沼田

テラス沼田：群馬県沼田市の複合施設

はじめに

群馬県沼田市下之町に位置する「テラス沼田」は、沼田市役所を含む複合施設です。本記事では、その歴史と概要、そして前身である「グリーンベル21」について詳しく解説します。

グリーンベル21：再開発ビルとしての始まり

1993年、沼田市の市街地再開発事業の一環として、「グリーンベル21」が開業しました。三井生命保険が事業に参画し、沼田都市開発株式会社が管理運営を担当する、商業施設と駐車場棟からなる複合ビルでした。

商業棟は地上8階建てで、沼田サティを核店舗に多くの専門店が入居し賑わいを見せました。駐車場棟は7階建てで、約440台を収容し、開業当初は有料でしたが、後に無料化されました。商業棟3階には、隣接する沼田市立図書館へ繋がる空中歩廊が設置され、一体的な施設構成となっていました。

核テナントの変遷と商業施設の衰退

グリーンベル21は、核テナントの変遷とともにその歩みを辿りました。開業当初の核テナントであった沼田サティは、2002年に撤退。その後、エーコープやサンバード長崎屋が出店しましたが、いずれも撤退し、商業施設は次第に空洞化していきました。沼田市は、様々な支援策を実施しましたが、商業施設の活性化には至りませんでした。

市による買収と再生

商業施設の衰退を受け、2014年、沼田市はグリーンベル21の土地と建物を所有していたMED TECH INVESTMENT 2、3社から取得することを決定しました。これは、老朽化した市庁舎の移転と、新たな複合施設整備に向けた重要な一歩でした。

市は、所有権取得後、複合施設の再生計画に着手。市民への意見を反映し、新たな名称として「テラス沼田」が決定されました。

テラス沼田：複合施設としての再出発

2019年、「テラス沼田」としてグランドオープン。沼田市役所が移転し、市庁舎機能と商業施設、そして歴史資料館などが一体となった、新たな複合施設として生まれ変わりました。河岸段丘の「段丘」を意味する英語と、市民を「照らす」場所をイメージした名称は、市民公募と投票によって決定されました。

7階建ての建物には、立体駐車場や沼田市立図書館と連絡する空中歩廊も整備されました。市の運営による、市民にとって利便性の高い複合施設として、沼田市の活性化に貢献しています。

訴訟問題

所有権の複雑化や管理運営をめぐり、複数の訴訟が発生しました。MED TECH INVESTMENT 2社と沼田都市開発、さらに元市長を相手とする訴訟などが起こされましたが、最終的には和解が成立し、市による土地建物の取得が完了しました。

アクセス

公共交通機関：JR上越線沼田駅から徒歩約20分、または関越交通バス利用
自家用車：関越自動車道沼田ICから約3km

まとめ

「テラス沼田」は、再開発ビル「グリーンベル21」から複合施設へと生まれ変わった、沼田市の象徴的な存在です。その歴史は、商業施設の盛衰、市の積極的な取り組み、そして市民の意見を反映した再生という、様々な要素が複雑に絡み合った物語です。現在では、市民生活を支える重要な拠点として機能しています。

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