テルスター (サッカー)

Telstar（テルスター）

Telstarは、アディダスが製造したサッカーボールであり、同社のサッカー用シューズのブランド名でもあります。その名は、1970 FIFAワールドカップにおいて大会公式試合球として採用されたことから広く知られています。このボールはアディダスにとって初めてのFIFAワールドカップ公式試合球であり、その後も改良版であるTelstar Durlast（テルスター・デュラスト）が1974 FIFAワールドカップの公式試合球に認定されることとなります。

起源とデザイン

1960年代に、日本のスポーツ用品メーカーであるモルテンが開発したボールは、当時のハンドボール用技術を転用して作られました。このボールは、黒色の五角形の革12枚と白色の六角形の革20枚から構成され、切頂二十面体の形状をしていました。このデザインは、より球体に近く、グラウンド上での視認性が高いという利点があり、瞬く間にサッカー選手たちに受け入れられました。

アディダスはこの人気を見逃さず、モルテンとOEM契約を結び、ワールドカップの公式試合球としてこのボールの形状を採用しました。この時期、カラーテレビが普及し、テルスター衛星による大会中継が実現しつつありました。これに伴い、テレビ視聴者がボールを見分けやすいという点も考慮され、Telstarという名称が付けられました。この名前は「television star」を意味し、視覚的なインパクトも意図されています。

技術的な進化

テルスターは天然皮革（牛革）製であったため、雨に濡れると水を含んで重たくなる問題を抱えていました。これに対応すべく、アディダスはテルスターの防水加工を施したTELSTAR DURLASTを1974年のワールドカップに提供しました。このデュラストコーティングにより、ボールのパフォーマンスが向上し、多くの選手に支持されました。

文化的影響

Telstarの登場以来、黒と白のパターンのサッカーボールは、サッカーの象徴ともいえるデザインとなり、そのスタイルは広く認知されるようになりました。アディダスやモルテンは、FIFAワールドカップの開催ごとに、最先端の素材と技術を用いて新しいブランドやデザインを発表し、現在に至るまで試合球を提供し続けています。このように、テルスターはサッカーの歴史において重要な一歩を踏み出した存在であり、今でもその影響を感じることができます。

外部リンク

- Official World Cup Telstar Match Soccer Ball SoccerBallWorld.com（英語）

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