テレル・ブランドン

トーマス・テレル・ブランドン：バスケットボールの才能と慈善の心

トーマス・テレル・ブランドン（Thomas Terrell Brandon, 1970年5月20日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。身長180cm、体重81kgと、ポイントガードとしては標準的な体格で、NBAのクリーブランド・キャバリアーズなどで活躍し、その才能を発揮しました。彼のプレースタイルは、得点能力とアシスト能力を兼ね備えており、2度のオールスター選出はその実力を証明しています。

若き日の輝き

ポートランドで生まれたブランドンは、高校時代からその才能を発揮し、州の年間最優秀選手に選ばれました。オレゴン大学に進学後も、彼の活躍は止まることなく、3年次には全米10位となる平均26.6得点を記録し、カンファレンスの年間最優秀選手に輝きました。この活躍が、彼をNBAへと導くことになります。

NBAでのキャリア

1991年、ブランドンはNBAドラフト全体11位でクリーブランド・キャバリアーズに入団しました。ルーキーイヤーは平均7.4得点3.9アシストの成績を残し、オールルーキー2ndチームに選出されるなど、将来を嘱望される選手として注目を集めました。最初の3シーズン半はマーク・プライスのバックアップとしてプレーしましたが、1995年にプライスがトレードされると、チームのエースとして頭角を現しました。1996年と1997年には2年連続でオールスターに出場し、いずれのシーズンでも得点、アシスト、スティールでチームトップの数字を記録するなど、チームを牽引する存在となりました。また、コート外でも恵まれない若者たちへの慈善活動に積極的に参加し、その功績が認められ、1997年にはNBAスポーツマンシップ賞を受賞しています。

1997年、キャバリアーズはショーン・ケンプ獲得のため、ブランドンをミルウォーキー・バックスにトレードしました。バックスでは1シーズン半プレーし、アシストとスティールでチームトップの数字を記録しましたが、怪我に悩まされる時期もありました。

1998-99シーズン途中、ブランドンはミネソタ・ティンバーウルブズにトレードされました。翌1999-2000シーズンには平均17.1得点8.9アシストという好成績を残し、ケビン・ガーネットと共にチームを初の50勝に導きました。しかし、再び膝の怪我に悩まされるようになり、2002年に故障者リスト入りしてからは、残念ながら復帰することはありませんでした。

2003年、ブランドンはサラリーキャップの関係でアトランタ・ホークスにトレードされましたが、1試合も出場することなく、2004年に現役引退を表明しました。NBAでの通算成績は、724試合に出場し、9,994得点4,407アシスト（平均13.8得点6.1アシスト）でした。

引退後の活動

引退後、ブランドンはポートランドで理髪店を経営する傍ら、不動産デベロッパーとしても活動しています。また、2006年にはオレゴン州スポーツ殿堂入りを果たし、その功績が称えられました。

トーマス・テレル・ブランドンは、バスケットボール選手としての才能はもちろんのこと、スポーツマンシップに溢れる人間性で多くの人々を魅了しました。彼のキャリアは、コート内外での努力と貢献によって、輝かしいものとして記憶されています。

もう一度検索