テンゲ

テンゲ：カザフスタンの通貨

1993年11月、カザフスタンは自国の通貨としてテンゲ（Казахстан теңгесі）を導入しました。それ以前はロシア・ルーブルが使用されていました。テンゲは、国際通貨コードISO 4217でKZTと表記され、補助通貨としてティイン（tiyin）があり、1テンゲは100ティインに相当します。

語源と名称

「テンゲ」という言葉は、トルコ系言語における「均衡」や「等しい」を意味する語に由来しています。ウズベク語のtengaやタジク語のtangaなど、類似の単語が周辺言語にも見られます。この命名は、ペソ、ポンド、リラなどの他の通貨の名称と同様に、均衡や一定の価値を表す概念に基づいていると考えられます。興味深いことに、ロシア語で「お金」を意味する単語деньги（den'gi）も、トルコ系言語の語源を持つとされています。

歴史

ソ連崩壊後、カザフスタンは独立国家共同体（CIS）の中で最も遅く自国通貨を導入した国のひとつでした。1991年には通貨デザインの専門委員会が設立され、1993年12月、大統領令によってテンゲ導入が公式に発表されました。1993年11月15日にテンゲが流通を開始し、この日が「カザフスタン共和国通貨の日」とされています。当初、紙幣はイギリスで印刷され、1995年にカザフスタン国内に印刷局が設立されました。硬貨はドイツで鋳造されていました。2007年3月には、カザフスタン国立銀行がテンゲの通貨記号「〒」を承認し、2008年3月にはUnicodeに登録されました（U+20B8）。

硬貨

現在流通している最新の硬貨（第3シリーズ）は2019年に発行されたもので、1、2、5、10、20、50、100、200テンゲの8種類があります。材質は、額面によって異なり、1～10テンゲは金色メッキ鋼鉄、20～50テンゲはニッケルメッキ鋼鉄、100テンゲはバイメタル（外周金色、内側銀色）、200テンゲはバイメタル（外周白銅、内側アルミニウム青銅）となっています。

それ以前には、1997～2018年発行の第2シリーズ（1～100テンゲ）、1994年発行開始の第1シリーズ（2～50ティイン、1～20テンゲ）がありましたが、第1シリーズの硬貨は現在失効しています。ティイン単位の硬貨と紙幣は既に流通しておらず、最小単位は1テンゲとなっています。1、2テンゲ硬貨は額面が小さいため、流通量は少ないです。

紙幣

現在流通している最新の紙幣（第3シリーズ）は、2011年から2017年にかけて発行されたもので、500、1000、2000、5000、10000、20000テンゲの6種類があります。表面には、アスタナ（現ヌルスルタン）の「カザフ・エリ」記念碑とハトが共通して描かれ、券種ごとに異なる建築物がデザインされています。裏面にはカザフスタンの地図が共通して描かれ、券種ごとに異なる建築物や風景がデザインされています。

それ以前には、2006年発行開始の第2シリーズ（200～10000テンゲ）、1993年発行開始の第1シリーズ（1～50ティイン、1～10000テンゲ）がありましたが、第1シリーズの紙幣は現在失効しています。

まとめ

テンゲは、カザフスタンの歴史と文化を反映した、独自の通貨です。そのデザインや歴史的背景を理解することで、カザフスタンへの理解を深めることができます。

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