テンプル・オブ・ザ・ドッグ (アルバム)

『テンプル・オブ・ザ・ドッグ』は、1990年に急逝したマザー・ラヴ・ボーンのフロントマン、アンドリュー・ウッドへの追悼として結成されたバンド、テンプル・オブ・ザ・ドッグが1991年に発表した唯一のアルバムです。

中心人物は、サウンドガーデンのクリス・コーネルと、後にパール・ジャムとして名を馳せるストーン・ゴッサード、ジェフ・アメン、マイク・マクレディ、そして当時まだ無名だったエディ・ヴェダー。マット・キャメロン（サウンドガーデン）もドラムとして参加しています。

アルバムは、1990年11月から12月にかけて、わずか15日間という短期間でシアトルのロンドン・ブリッジ・スタジオにてレコーディングされました。クリス・コーネルが書いた楽曲を中心に構成され、エディ・ヴェダーも一部楽曲でリードボーカルやコーラスとして参加しています。

特徴

このアルバムの特徴は、何と言っても参加メンバーの豪華さ。サウンドガーデンのヘヴィなサウンドと、パール・ジャムの持つメロディアスな要素が融合し、他に類を見ない独特な音楽性を生み出しています。また、アンドリュー・ウッドへの追悼というテーマが、アルバム全体を深い哀愁と温かさで包み込んでいます。

収録曲の中でも特に有名なのは、クリス・コーネルとエディ・ヴェダーがデュエットで歌う「Hunger Strike」。

その他、「Say Hello 2 Heaven」や「Reach Down」といった楽曲は、クリス・コーネルの圧倒的な歌唱力と、バンドの卓越した演奏力が光る名曲として知られています。

楽曲リスト

1. Say Hello 2 Heaven
2. Reach Down
3. Hunger Strike
4. Pushin Forward Back
5. Call Me a Dog
6. Times of Trouble
7. Wooden Jesus
8. Your Saviour
9. Four Walled World
10. All Night Thing

参加ミュージシャン

クリス・コーネル - ボーカル、バンジョー、ハーモニカ
マイク・マクレディ - リードギター
ストーン・ゴッサード - リズムギター、スライドギター、スティール弦アコースティックギター
ジェフ・アメン - ベース
マット・キャメロン - ドラムス
エディ・ヴェダー - コーラス、ボーカル

評価と影響

リリース当初は大きな注目を集めたわけではありませんでしたが、徐々に口コミで評判が広がり、最終的には全米5位を記録、プラチナディスクを獲得するほどの成功を収めました。

『テンプル・オブ・ザ・ドッグ』は、その音楽性だけでなく、参加メンバーのキャリアにとっても重要な作品となりました。特にエディ・ヴェダーにとっては、パール・ジャム結成のきっかけとなり、彼の音楽人生を大きく変える転機となりました。また、シアトルグランジシーンを代表するアルバムの一つとして、後世のミュージシャンにも大きな影響を与えています。

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