ディアドコイ戦争

ディアドコイ戦争の概要

ディアドコイ戦争、または後継者戦争は、アレクサンドロス大王の急死後、彼の指揮官たちが後継者の地位を巡って繰り広げた戦争を指します。この戦争は、紀元前323年にアレクサンドロスが亡くなった時から始まり、紀元前281年のコルペディオンの戦いに至るまで、約40年間にわたりました。この間、様々な将軍の間で覇権を巡る争いが続きました。

アレクサンドロスの死とその影響

紀元前323年6月、アレクサンドロス大王はバビロンで熱病により死去します。彼は死の際、後継者に関する明確な指示を残さなかったため、彼の死後、軍事指導者たちはその遺志を継ぐ方法を模索し、後継者の座を巡る力の争いが始まりました。

アレクサンドロスの死後、候補者としては王妃ロクサネが妊娠中の子供と、庶子ヘラクレスの存在がありました。これにより、マケドニアの貴族や軍人たちは集まり、バビロン会議を開催しました。この会議では、アリダイオスをフィリッポス3世として即位させ、後にロクサネの子供、アレクサンドロス4世が共同統治者に選ばれることとなります。しかし、フィリッポス3世は精神的に問題を抱え、アレクサンドロス4世は幼少であったことから、ペルディッカスが実権を握ることになりました。

ディアドコイの勢力分布

アレクサンドロスの死後、マケドニアの支配権はディアドコイと呼ばれる彼の副官たちに分配され、それぞれの地域を治めることになりました。これに関する詳細な歴史は、主にディオドロスやクイントス・クルティウス・ルフスなどの史料に残されています。

初期の戦争と権力の動き

紀元前322年、アテナイなどでマケドニアに対する反乱が発生し、アンティパトロスが派遣されました。この戦争では、彼が勝利を収めたものの、戦いはまだ終わりを迎えていませんでした。エウメネスの行動や彼の頼る将軍たちとの関係も複雑で、次第に戦争は加熱していきます。

第一次ディアドコイ戦争では、ペルディッカスがエジプトに軍を派遣しましたが、不満の声が上がり、最終的には彼は暗殺されてしまいます。この事件は、マケドニアの権力構造に大きな影響を与えました。

戦争の終息と王権の変遷

後の戦争を経て、ディアドコイたちはそれぞれの方向に分裂し、最終的にはアンティゴノスが強大な権力を持つに至ります。しかし、彼の支配は長続きせず、219年のイプソスの戦いで戦死し、彼の領域は他の国々で分割されることになりました。これにより、セレウコス朝やプトレマイオス朝などの新しい王朝の時代が訪れます。

最終的には、ディアドコイ戦争は紀元前281年のコルペディオンの戦いで結末を迎え、セレウコスが勝利を収めたものの、その直後に彼も暗殺されてしまいます。このように、ディアドコイ戦争はアレクサンドロス大王以降の古代の勢力図を大きく変える出来事として記憶されています。

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