ディジタルマッピング

ディジタルマッピングとは

ディジタルマッピングは、広義にはコンピュータ技術を利用してデジタル形式の電子地図を作成する行為全般を指します。このプロセスでは、地形データなどがGPS測量などのデジタルデータとして入力されることが一般的です。また、地名に地理座標を付与するジオコーディング技術も活用されることがあります。

日本におけるディジタルマッピング

日本においては、ディジタルマッピング（Digital Mapping: DM）は、国土交通省の公共測量作業規程に基づいた測量作業を指します。具体的には、空中写真測量などによって地形や地物の情報をデジタル形式で測定し、電子計算機技術を用いて数値地形図を新たに構築する作業を意味します。この作業によって作成された数値地形図のデータファイルは「DMデータファイル」として体系的に整理されます。

DMデータファイルは、測量成果の電子納品における標準データ形式であり、1図郭につき1ファイルとしてデータが保管されます。このファイルには、主に以下のような地図情報が含まれます。

都市計画基図: 都市計画法に基づく基礎調査に必要な基図
砂防基盤図: 土砂災害防止対策に関する基礎調査に必要な基図
道路台帳附図: 道路に関する情報を記録した図面
河川基盤地図: 河川に関する情報を記録した地図

これらのDMデータファイルは、空間情報基盤（一般図）として位置づけられ、GIS（地理情報システム）やCADなどのアプリケーションで利用されます。しかし、DMデータは標準化された分類と単純なデータ構造を持っているため、GISアプリケーションなどで直接表示させるには、各アプリケーションが必要とする形式への加工や属性の追加が必要となることが一般的です。

DMデータの活用

国土地理院は、地方公共団体に対し、地域に密着した詳細な地理情報であるDMデータファイルを、電子国土の背景データとして積極的に活用するよう推奨しています。これにより、誰もが地理情報を利活用できるようになることを目指しています。

関連事項

ディジタルマッピングに関連する技術や概念は以下の通りです。

測量: 地形や地物の位置や形状を測定する技術
大縮尺地形図: 詳細な地形情報を記録した地図

参考文献

* 津留宏介、磯部浩平、浦本洋市、住田英二『ディジタルマッピング―公共測量への手引き』（鹿島出版会 2005 ISBN 4306023753）

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