ディスクユーティリティ

ディスクユーティリティについて

ディスクユーティリティは、macOSに標準で付属するユーティリティソフトウェアで、Macのストレージデバイスの管理、検証、修復を目的としています。以前のMac OSに存在した「Disk First Aid」と「ドライブ設定」を統合したもので、ハードディスクドライブに聴診器を当てているアイコンが特徴的です。

内部的には、macOS独自のディスク管理コマンドであるdiskutilやhdiutil, asrなどのラッパーとして機能しており、ディスクのフォーマット、コピー、ディスクイメージの作成など、さまざまなストレージ関連タスクを実行できます。特に、Mac OS X v10.5以降では、GUIDパーティションテーブルのハードディスクドライブにおいて、データを消去することなくパーティションを分割できるようになりました。

このユーティリティは、macOSのユーティリティフォルダ内に格納されており、必要に応じて簡単に起動できます。また、Mac OS X v10.6まではInstall DVDから、Mac OS X Lion以降ではRecovery HDからも起動できます。

主な機能

ディスクユーティリティには、以下のような主要な機能が搭載されています。

First Aid: ディスクのエラーを検証し、修復を試みます。また、ディスクのアクセス権に関する問題もチェックし、必要に応じて修復します。
パーティション: ディスクのパーティション構成を管理します。パーティションの作成、削除、サイズ変更などが可能です。
ディスクの消去・複製・復元: ディスクやボリュームの内容を完全に消去できます。セキュリティを考慮し、アメリカ国防総省のDoD 5220-22-M規格に準拠した7回書き込み消去も選択可能です。また、ディスクやボリュームの丸ごとコピーを作成し、別のディスクやボリュームに復元することもできます。
RAID・NFSの設定: 内蔵または外付けディスクを利用してRAIDセット（ストライピング、ミラーリング、スパニングなど）を作成できます。また、NFS（Network File System）サーバーで共有されているフォルダを自動マウントする機能も備えています。
ディスクイメージの作成: ディスクのイメージファイル（.img、.dmg形式）を作成できます。作成時には、フォーマットや暗号化（AES）などのオプション設定が可能です。
その他: ディスクのマウント、取り出し、ボリューム情報の表示など、基本的なディスク管理操作も行えます。

ディスクユーティリティの活用

ディスクユーティリティは、以下のような場面で活用できます。

ディスクのトラブルシューティング: ディスクのエラーやアクセス権の問題を特定し、修復を試みる。
パーティションの分割・統合: ディスクを効率的に利用するために、パーティション構成を調整する。
データのバックアップ: ディスク全体のコピーを作成し、万が一のデータ損失に備える。
ディスクのフォーマット: 新しいディスクを初期化したり、既存のディスクを別のファイルシステムでフォーマットしたりする。
ディスクイメージの作成: ソフトウェアの配布やバックアップのために、ディスクイメージを作成する。

注意事項

ディスクユーティリティは強力なツールですが、誤った操作を行うとデータが失われる可能性があります。特に、ディスクの消去やパーティションの操作を行う際は、十分に注意して操作を行うようにしてください。また、重要なデータが含まれるディスクを操作する前に、必ずバックアップを作成しておくことをお勧めします。

まとめ

ディスクユーティリティは、macOSのストレージ管理に欠かせないツールです。ディスクの検証、修復、パーティション設定、ディスクイメージの作成など、多岐にわたる機能を提供し、ユーザーがストレージデバイスを最大限に活用できるようサポートします。

関連項目

fsck
スキャンディスク

外部リンク

ディスクユーティリティ - OS X アプリケーションとユーティリティ（Apple）
Disk Utility - ASCII.jpデジタル用語辞典（アスキー・メディアワークス）
Macのディスクユーティリティの使い方 - All About 2009年6月7日

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