ディック・バーネット

ディック・バーネット：ニックス黄金期を支えた"フェイダウェイシュート"のパイオニア

ディック・バーネット（Richard "Dick" Barnett, 1936年10月2日 - ）は、インディアナ州ゲーリー出身のバスケットボール選手。
1970年代前半のニューヨーク・ニックスで主力として活躍し、チームを2度のNBA制覇に導きました。彼の背番号『12』はニックスの永久欠番となっています。
また、"フェイダウェイシュート"のパイオニアとしても知られています。

生い立ちと大学時代

ゲーリー・ルーズベルト高校時代には、オスカー・ロバートソン擁する強豪校に敗れたのみで、州タイトルを獲得。
テネシー州立大学では、チームをNAIAチャンピオンシップ3連覇に導き、自身も3度のオールアメリカン、2年連続NAIAトーナメントMVPに輝くなど、目覚ましい活躍を見せました。
大学通算成績は平均23.6得点11.5リバウンドを記録しています。

NBAキャリア

ナショナルズ～レイカーズ

1959年のNBAドラフトでシラキュース・ナショナルズから全体4位指名を受けてNBA入り。
ルーキーイヤーから得点を重ねましたが、ABLのクリーブランド・パイパーズへ移籍。
パイパーズでは1961-62シーズンに優勝を経験しました。

1962年にNBAに復帰し、ロサンゼルス・レイカーズに入団。ジェリー・ウェスト、エルジン・ベイラーらと共にプレイし、平均18得点前後の得点源として活躍しました。
1963年にはNBAファイナルに進出しています。

ニューヨーク・ニックス

1967年、ニューヨーク・ニックスに移籍。エースとして活躍し、移籍初年度にはキャリアハイとなる23.1得点を記録、オールスターにも選出されました。
チームもバーネットの加入を機に低迷期から脱し、プレーオフ進出を果たします。
ウィリス・リードの加入後、チームの主役はリードに譲りますが、ニックスは優勝争いに加わるようになります。

1969-70シーズンにはフランチャイズ記録となる60勝を挙げ、プレーオフを勝ち進み、ファイナルで古巣レイカーズを破り、チーム史上初の優勝を果たしました。

その後、チームはジェリー・ルーカスらを獲得しチーム改革を進め、1972-73シーズンに再びファイナルに進出、再びレイカーズを破って2度目の優勝を経験。
1973-74シーズンに現役を引退しました。
NBA通算成績は14シーズン971試合出場、15,358得点2,812リバウンド、平均15.8得点2.9リバウンドです。

引退後

引退後は、レッド・ホルツマンの下でアシスタントコーチを務めました。
ニックス在籍時からニューヨーク大学に通い経営学の学位を取得し、引退後はフォーダム大学で博士号を取得。
セント・ジョンズ大学で教鞭をとり、スポーツ・マネージメントを教えました。現在は教育関係の非営利団体の理事長を務めています。

フェイダウェイシュート

バーネットは、ジャンプシュートの際に後ろに跳びながらシュートする"フェイダウェイシュート"を開発した選手として知られています。
ディフェンダーから距離を取ってシュートを放つことができるため、非常に有効な武器としてバスケットボール界に広まりました。
当時は「question mark jump shot」とも呼ばれ、本人は「Fall back, baby」と呼んでいました。

主な業績

NAIAトーナメント優勝：1957年, 1958年, 1959年
NBAファイナル制覇：1970年, 1973年
オールスター出場：1968年
ナショナル・カレッジゲート・バスケットボール殿堂
テネシー・スポーツ殿堂
背番号『12』はニューヨーク・ニックスの永久欠番

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