ディミトリオス1世パレオロゴス

ディミトリオス・パレオロゴス

ディミトリオス・パレオロゴス（Δημήτριος Α' Παλαιολόγος, Demetrios I Palaiologos, 1295年 - 1343年以降）は、東ローマ帝国の皇族であり、テッサロニキ専制公を務めました。彼はアンドロニコス2世パレオロゴス帝と皇后ヴィオランテ・ディ・モンフェラート（イリニ・パレオロギナ）の息子として生まれました。

経歴

ディミトリオスの母ヴィオランテは、自身の息子たちにも皇帝の称号と領土を分け与えるようアンドロニコス2世に求めましたが、拒否されました。代わりに、四男セオドロスに母の生家を継承させました。1304年、ディミトリオスは姉妹シモニスが嫁いだセルビア宮廷に派遣され、セルビア王位獲得の足がかりとなることが期待されましたが、彼はセルビアでの生活になじめず帰国しました。1306年には専制公の称号を与えられ、コンスタンティノープル宮廷に留まりました。

1321年にアンドロニコス2世とその孫アンドロニコス3世の間で内乱が勃発すると、ディミトリオスは父を支持し、兄コンスタンディノスに続いて1322年と1327年-1328年の二度、テッサロニキの行政官を務めました。1328年にアンドロニコス3世が勝利すると、アンドロニコス2世とコンスタンティノス専制公は引退を余儀なくされましたが、ディミトリオスは宮廷に留まりました。しかし、かつて反アンドロニコス3世派であった彼の立場は不安定であり、1336年には皇帝の病気に際し、帝位簒奪の嫌疑がかけられました（後に無罪放免）。ディミトリオスは少なくとも1343年までは生存し、宮廷で活動していたと考えられています。

家族

ディミトリオスには少なくとも二人の子供がいたことがわかっています。名前が判明しているのは娘のイリニ・パレオロギナです。

* イリニ・パレオロギナ（Ειρήνη Παλαιολογίνα）：共治帝マテオス・カンダクジノスの妻であり、尊厳公ディミトリオス・カンダクジノスの母です。

ディミトリオス・パレオロゴスは、東ローマ帝国の皇族として、政治的な変動期を生き抜き、その生涯は宮廷内の権力闘争と家族関係に彩られていました。

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