ディラン・バンディ

ディラン・バンディ：栄光と挫折を経験した元メジャーリーガー

ディラン・マシュー・バンディ（Dylan Matthew Bundy）は、1992年11月15日生まれ、アメリカ合衆国オクラホマ州オワッソ出身の元プロ野球選手。右投両打の投手として活躍しました。

プロ入り前

高校時代からその才能は際立っていました。オワッソ高等学校の最終学年時には、投手として11勝0敗、防御率0.25、71イニングで158奪三振という驚異的な成績を記録。さらに、三塁手としても打率.467、11本塁打、54打点と、打撃でも非凡な才能を見せつけました。ゲータレード年間最優秀選手、「ベースボール・アメリカ」誌の年間最優秀高校生、「USAトゥデイ」紙の年間最優秀選手など、数々の主要アワードを受賞し、全米No.1高校生として注目を集めました。

ボルチモア・オリオールズ時代

2011年のMLBドラフトで、ボルチモア・オリオールズから1巡目（全体4位）で指名を受け、契約金400万ドルを含む総額622万5000ドルのメジャー契約で入団。将来のエース候補として大きな期待を背負いました。

2012年にA級、A+級で目覚ましい活躍を見せ、オールスター・フューチャーズゲームにも出場。同年9月には早くもメジャーデビューを果たし、オリオールズの投手としては1967年以来となる10代でのデビューとなりました。

しかし、2013年にはトミー・ジョン手術を受け、シーズンを全休。その後も度重なる故障に苦しみ、期待されたほどの活躍を見せることはできませんでした。

2016年にはメジャーに復帰し、先発とリリーフで36試合に登板。10勝6敗、防御率4.02という成績を残し、復活をアピールしました。2017年には先発ローテーションに定着し、チームトップの13勝を挙げました。2018年には自身初の開幕投手を務めましたが、リーグ最多の16敗を喫するなど、苦しいシーズンとなりました。

ロサンゼルス・エンゼルス時代

2019年オフにロサンゼルス・エンゼルスへトレード移籍。2020年には6勝3敗、防御率3.29、72奪三振と好成績を挙げ、サイ・ヤング賞投票で9位に入るなど、高い評価を受けました。2021年には2度目の開幕投手を務めましたが、不調のためブルペンに配置転換。同年オフにFAとなりました。

ミネソタ・ツインズ、メッツ傘下時代、そして引退へ

2021年12月にはミネソタ・ツインズと契約しましたが、2022年オフにFA。2023年にはニューヨーク・メッツとマイナー契約を結びましたが、AAA級で不振に終わり、同年7月に放出。この年限りで現役を引退しました。

現役引退後

2024年からは、故郷のオクラホマ州で不動産会社に勤務しています。

プレースタイル

最速97.9mph（約157.6km/h）のフォーシームを中心に、チェンジアップ、カーブ、スライダーを織り交ぜる本格派右腕。高校時代には100mph（約160.9km/h）を記録したこともありましたが、度重なる故障の影響で球速は低下しました。それでも、カッターやカーブの評価は高く、チェンジアップも平均以上の質を誇っていました。

将来のエース候補として期待されながらも、故障に苦しんだバンディ。しかし、エンゼルス時代にはサイ・ヤング賞の候補となるなど、その才能の片鱗を見せつけました。現在は新たなキャリアをスタートさせていますが、彼の野球への情熱は今も変わらないことでしょう。

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