デイヴィッド・ビーティー (初代ビーティー伯爵)

デイヴィッド・リチャード・ビーティー元帥の生涯と業績

デイヴィッド・リチャード・ビーティー（1871年1月17日 – 1936年3月11日）は、イギリス海軍の著名な軍人であり、最終階級は海軍元帥である。彼は第一次世界大戦における重要な海戦で指揮を執り、その指導力と戦略で名を馳せた。1914年にはバス勲章、1919年にはメリット勲章を授与されるなど、その実績が評価された。彼はまたビーティー伯爵としても知られ、ビーティー伯爵家を創設した。

生い立ちと早期のキャリア

ビーティーはアイルランド系の騎兵士官の家庭に生まれ、幼少期から海軍への夢を抱いていた。13歳で海軍兵学校に入校し、15歳で士官候補生に任官。1884年には練習艦「ブリタニア」に乗り込み、艦上での訓練を重ねた。彼は1896年から98年にかけてエジプト・スーダンに勤務し、マフディー戦争では砲艦を指揮して陸軍を支援、これによりDSO勲章を授与された。

その後、海軍中佐に昇進し、北清事変などの重要な任務に従事。彼は29歳で海軍大佐に昇進し、さらなるキャリアを築いていく。1913年には海軍少将として第1巡洋戦艦戦隊の司令官に任命され、第一次世界大戦の勃発時には同戦隊を指揮していた。

海戦での活躍

ヘルゴラント・バイト海戦

1914年8月28日、ビーティーは英巡洋艦隊としてドイツ側のヘルゴラント・バイトに侵入。ドイツ巡洋艦を撃沈し、戦局を有利に進める。この戦いでの彼の指揮は非常に重要で、彼の部隊は支援を行いながらも決定的な役割を果たした。

ドッガー・バンク海戦

1915年1月24日、英独巡洋戦艦部隊は初の直接砲火を交わすこととなり、ビーティー率いる部隊がドイツ艦隊を捕捉。彼は敵艦の撤退を追撃するも、誤解から敵に撤退を許す結果となり、悔いを残した。しかし、この経験は彼の戦略に大きな影響を与えることとなった。

ユトランド沖海戦

1916年5月31日のこの海戦は、英独艦隊の最大の対戦となり、戦略的に英国が勝利を収めた。ビーティーは大艦隊の先頭に立ち、最初の数十分で劣勢の中、艦列を保持し続ける。最終的に彼の部隊は、ドイツ艦隊に対して多大な損害を与えながらも、混乱の中で艦隊の損失をもたらした。この戦闘を通じて、彼はその指導力を再確認し、以降、大艦隊司令長官としての道をさらに進むこととなる。

戦後と評価

ユトランド沖海戦の後、ビーティーは1916年12月に大艦隊司令長官に就任し、その後1919年までその職を務めた。彼は海軍元帥に昇進し、ワシントン条約に基づく海軍艦艇の整理を指導した。また、1921年にはワシントン会議にも出席し、国際的な海軍政策に関与した。

死後の評判

デイヴィッド・リチャード・ビーティーは、セント・ポール教会に葬られ、その棺はネルソン提督のものと並ぶ光栄を受けている。彼の戦略とリーダーシップは今日でも多くの海軍士官に影響を与え続けており、彼の名は海軍史に深く刻まれている。海軍の指導者としての彼の功績は、後の世代にとっての模範となるものであり、その業績は今後も語り継がれていくことであろう。

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