デッカー (護衛駆逐艦)

デッカー (USS Decker, DE-47)の歴史

デッカー (USS Decker, DE-47)は、アメリカ海軍に所属するエヴァーツ級護衛駆逐艦であり、艦名はエルネスト・エルデン・デッカーに由来しています。この艦は、1942年4月1日にペンシルベニア州フィラデルフィア海軍工廠で起工され、同年7月24日に進水、1943年3月4日に就役しました。本来はBDE-47としてイギリスにレンドリースされる予定でしたが、最終的にはアメリカ海軍に配属されました。

役割と任務

デッカーは1943年8月から1945年8月にかけて、北米から地中海へ至る広い航路で船団護衛の任務を果たしました。その中でも、特に1944年5月のUGS-40船団の護衛任務が注目されます。この任務では、ドイツ空軍の爆撃機やUボートからの攻撃を受けましたが、デッカーはその護衛に成功し、多くの商船を安全に目的地へ送り届けました。

第二次世界大戦が終了した1945年8月28日、デッカーは中華民国に貸与され、その後譲渡されて太平（DE-22）に改名されました。1946年、デッカーは中華民国海軍において、他の艦艇と共に南沙諸島や西沙諸島への進駐作戦を実施し、南沙諸島のイツアバ島は同艦にちなんで「太平島」と名付けられました。

戦闘と活動

デッカーは1949年10月に発生した古寧頭戦役にも関与し、金門島沖で守備隊と協力して中国人民解放軍に対抗しました。この戦闘での活躍により、デッカーは海軍内での名声を高めました。また、1951年には八重山諸島沖での海上封鎖任務中に、民間のノルウェー船籍の貨物船を拿捕するなど、活発な活動を行いました。

撃沈とその後

1954年4月初頭、デッカーはチェコ船籍のユリウス・フチーク号の拿捕に向かうも、発見できずに終わりました。その後の同年4月27日には、台湾海峡で人民解放軍の艦艇と遭遇し交戦が発生しました。しかし、この交戦は艦に深刻なダメージを残すものではありませんでした。

同年11月14日、デッカーは大陳島沖で哨戒中に人民解放軍の魚雷艇から攻撃を受けて撃沈されました。艦首に魚雷が命中したため、犠牲者は28名にとどまりました。撃沈後、中国青年反共救国団は「建艦復仇運動」を立ち上げ、代わりの艦艇を献納する運動を行い、さらには日本製の魚雷艇を2隻調達することとなりました。

デッカーの歴史は、海軍の護衛任務の重要性や、戦争後の国際関係の変遷を象徴するものであり、これからも多くの人々に語り継がれていくでしょう。

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