デビッド・フォン・エリック

デビッド・フォン・エリック：悲劇の天才レスラー

デビッド・フォン・エリック（1958年7月22日 - 1984年2月10日）。その名は、プロレス史に燦然と輝く、多くのファンを魅了したレスラーの一人として刻まれています。アメリカ合衆国テキサス州出身の彼は、伝説的レスラー「鉄の爪」フリッツ・フォン・エリックの息子であり、兄弟で活躍したフォン・エリック一族の次男として知られています。

スポーツマンからプロレスラーへ

高校時代はバスケットボールとアメリカンフットボールのスター選手として活躍したデビッド。ノーステキサス大学に進学するも、プロレスラーへの道を志し、大学を中退。1977年、プロレスラーとしてデビューを果たします。

恵まれた体格と、類まれな才能で瞬く間に頭角を現し、数々のタイトルを獲得していきます。1979年には、全[[日本プロレス]]に初来日。1981年には兄ケビンとのタッグでアジアタッグ王座を奪取。その活躍は、日本での人気を確固たるものにしました。

アメリカでの活躍

アメリカでは、地元ダラスのWCCW（World Class Championship Wrestling）を拠点に、エース格として活躍。フラッグシップタイトルであるテキサス・ヘビー級王座を8回も獲得するなど、その実力は折り紙付きでした。NWA世界ヘビー級王座挑戦も何度も果たし、ハーリー・レイスやリック・フレアーといったレジェンドたちと激闘を繰り広げました。1981年にはフロリダで元NWA世界王者のジャック・ブリスコを下し、南部ヘビー級王座を獲得。さらに1983年には、NWA世界王座への登竜門であるミズーリ・ヘビー級王座を獲得、その名を世界に轟かせました。

急逝と、その後の展開

1984年2月9日、全[[日本プロレス]]に参戦中のデビッドはUNヘビー級王座を獲得。翌10日、宿泊先のホテルで25歳の若さで急死するという悲劇に見舞われます。死因は急性腸炎による内臓疾患と発表されました。

彼の死は、プロレス界に大きな衝撃を与えました。葬儀には、馬場選手を始めとする全[[日本プロレス]]の選手や、ブルーザー・ブロディ、チャボ・ゲレロなど多くの来日外国人選手が参列。父親であるフリッツ・フォン・エリックからも、日本のファンへの謝罪と追悼のメッセージが送られました。

デビッドの死によって空位となったUNヘビー級王座は、天龍源一郎が獲得。また、デビッドが獲得予定だったNWA世界ヘビー級王座は、彼の弟であるケリー・フォン・エリックが、デビッドの追悼興行でリック・フレアーを破り獲得。これは、デビッドの遺志を継いだ象徴的な出来事として記憶されています。

レガシー

デビッド・フォン・エリックは、短くも輝かしいキャリアの中で、数々のタイトルを獲得し、多くのファンを魅了しました。その類まれな才能は、多くのプロレスラーに影響を与え、彼の名は今も語り継がれています。2009年には、フォン・エリック・ファミリーとしてWWE殿堂入りを果たし、その功績は永遠に称えられます。彼の早すぎる死は、多くのファンにとって大きな悲しみですが、彼の残した輝かしい功績は、プロレス史に永遠に刻み込まれるでしょう。

得意技

アイアンクロー
ドロップキック
ジャンピング・ニー・バット
スリーパー・ホールド

獲得タイトル

NWAテキサス・ヘビー級王座：8回
NWAテキサス・タッグ王座：3回
NWAアメリカン・タッグ王座：1回
NWA世界タッグ王座（テキサス版）：1回
NWA世界6人タッグ王座（テキサス版）：2回
NWAミズーリ・ヘビー級王座：1回
NWA北米タッグ王座（フロリダ版）：1回
NWA南部ヘビー級王座（フロリダ版）：1回
NWAフロリダTV王座：1回
アジアタッグ王座：1回
* UNヘビー級王座：1回

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