デビッド・ブキャナン

デビッド・ブキャナン：MLB、NPB、KBOを渡り歩いた技巧派右腕

1989年5月11日、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタで生まれたデビッド・アンドリュー・ブキャナンは、右投げ右打ちの投手として、メジャーリーグ、日本プロ野球、韓国プロ野球で活躍しました。MLBではシンシナティ・レッズ、NPBでは東京ヤクルトスワローズ、KBOではサムスン・ライオンズに所属。愛称は「ブキャナン」です。

プロ入り前とMLBでのキャリア

2009年のMLBドラフトでニューヨーク・メッツから指名されたものの、ブキャナンはジョージア州立大学への進学を選びました。その後、2010年のMLBドラフトでフィラデルフィア・フィリーズから指名されプロ入り。マイナーリーグで経験を積み、2014年にメジャーデビューを果たします。

メジャーデビュー戦では好投を見せ、初勝利を挙げました。その後、フィリーズの先発ローテーションの一角として活躍。2015年は成績が低迷しましたが、2014年は20試合に先発登板し、6勝8敗、防御率3.75という成績を残しました。

2016年にはAAA級でシーズンを過ごし、フィリーズを自由契約となりました。

ヤクルトスワローズ時代

2016年12月、ブキャナンは東京ヤクルトスワローズに入団。NPBでの登録名は「デービッド・ブキャナン」となりました。

2017年にはチームで唯一規定投球回に到達し、防御率3.66という好成績を残しました。2018年には球団史上4人目の外国人開幕投手となり、開幕戦で勝利投手となりました。この年、チーム最多勝となる10勝を挙げました。また、4月6日の巨人戦では、投手として珍しい三塁打を放つなど打撃でも活躍しました。

2019年には8月に月間MVPを受賞するも、故障の影響でシーズンを通しての活躍は叶いませんでした。同年オフに自由契約となりました。

サムスン・ライオンズ時代

2020年1月、ブキャナンは韓国プロ野球のサムスン・ライオンズと契約。KBOでの登録名は「ビュケノン」となりました。

サムスンでは、2020年に15勝、2021年には16勝を挙げ、チームの勝利に大きく貢献しました。2022年も11勝、2023年もチーム最多の12勝を記録するなど、KBOリーグでも安定した活躍を見せました。2024年の再契約は結ばれませんでした。

フィリーズとレッズへの復帰

2024年2月、ブキャナンは古巣フィリーズとマイナー契約を結びました。AAA級リーハイバレーでプレーしましたが、メジャー昇格は叶わず、8月には金銭トレードでシンシナティ・レッズに移籍。8月末にメジャーリーグに昇格しました。

選手としての特徴

ブキャナンは主に先発投手として活躍し、スリークォーターから最速約151km/hの速球を武器としていました。平均球速は約143km/hで、フォーシーム、ツーシーム、カットボールを投げるほか、チェンジアップとカーブボールを決め球としていました。低めに集めて打たせて取るピッチングスタイルが特徴で、奪三振率はMLB通算で5.4と低めです。

また、打撃にも長けており、三塁打を放つなどの長打力も持っていました。

人物像

ブキャナンは家族を愛する人物としても知られ、ヒーローインタビューでは家族への感謝を述べることもありました。ファンにも優しく接し、退団時には多くの惜別の声が寄せられました。また、オーガニック食材を好むなど健康にも気を遣う一面も持っています。

受賞歴と記録

NPB月間MVP（2019年8月）
NPB初登板、初先発、初勝利、初完投勝利、初完封勝利
* 2018年ヤクルトスワローズ開幕投手

まとめ

デビッド・ブキャナンは、MLB、NPB、KBOと3つの異なるリーグで活躍した稀有な存在です。彼の卓越したピッチング技術と人柄は、多くのファンに愛され、長く記憶されることでしょう。今後の活躍にも期待が高まります。

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