デビッド・ブラバム

デビッド・ブラバム

デビッド・ブラバム（David Brabham）は、1965年9月5日にロンドンで生まれ、オーストラリアの国籍を持つ著名なレーシングドライバーです。彼は、三度のワールドチャンピオンに輝いたジャック・ブラバムの三男であり、ブラバム家はモータースポーツ界で名を馳せてきました。ブラバム家には、レーサーとして活躍した兄のジェフとゲイリーもおり、彼らはデビッドと共にモータースポーツの世界に名を刻んでいます。ただし、兄弟の中でF1の決勝に参戦したのはデビッドが唯一の存在です。

経歴のハイライト

デビッドのキャリアは1989年に始まりました。彼はイギリス・フォーミュラ3選手権で、アラン・マクニッシュとの激しいタイトル争いを制し、チャンピオンとなりました。同年の11月にはマカオグランプリF3で優勝し、その活躍が認められて1990年にF1デビューを果たしました。プライベートチームのブラバムから出場した彼は、その年を通じてF1の舞台で貴重な経験を積みましたが、一年限りでF1の競技から離れ、スポーツカーの世界に足を踏み入れました。

1991年には、ラルトからのオファーで新型F3シャシー「RT36」の開発に参画。ここでの経験が彼のスキルをさらに磨くこととなりました。その翌年の1992年、デビッドはトヨタ・チーム・トムスに加入し、スポーツカー世界選手権に参加し、様々なレースで技術を蓄えました。

F1とその後の活動

1994年、シムテックがF1に参戦を開始し、デビッドは5年ぶりにF1の舞台に戻ります。彼は堅実な走りでシーズン中6度の完走を果たし、最高位は10位でしたが、再びF1を離れることになりました。その後、彼はスポーツカーに戻り、ALMSなどのシリーズで活躍を続けました。1996年にはアロウズのテストドライバーを務め、マクラーレンF1 GTRで全日本GT選手権（JGTC）を制しました。

1997年には兄のジェフと共にバサースト1000を制覇し、2005年と2006年にはセブリング12時間でクラス優勝を達成しました。さらに、2009年にはスコット・シャープと共にALMSのLMP1クラスでシリーズチャンピオンに輝き、同年にはル・マン24時間レースにも参戦し、プジョー・スポール・トタルチームの908 HDi FAPに乗って総合優勝を果たしました。

名門ブラバムの復活

2013年には、ブラバムの名称を用いる権利を獲得し、家族の名を冠したレースチームの復活に向けたプロジェクトに取り組み始めました。彼はブラバム家の名声を守るために新たな挑戦を続けています。デビッド・ブラバムのこれまでのキャリアは、多くのレースファンやモータースポーツ界に影響を与え続け、彼の存在はまさにレースの歴史と生き様そのものです。

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