デリー (巡洋艦)

デリー号について

デリーはインド海軍の巡洋艦であり、元々はイギリスで建造されたリアンダー級軽巡洋艦「アキリーズ」として1933年に進水しました。1948年にインドへ売却され、デリーという名で再び海軍に加わりました。艦番号はC74で、王立インド海軍初の主力艦として、インドの海軍力を象徴する存在となりました。

艦歴

デリーは1930年代から活躍し、第二次世界大戦前にはニュージーランド海軍に貸与され、ドイツ海軍との戦闘、ラプラタ沖海戦などにも参加しました。戦後はイギリスに返還され、1948年7月5日に王立インド海軍へ売却されました。この艦は同年9月にインドに到着し、多くの式典に参加しました。

サヴァラカー艦長が指揮するデリーは、1950年のインドの共和制移行に伴い、王立インド海軍からインド海軍へと改名され、その地位を確立しました。1951年、ニュージーランドからの親善の象徴として、インドの艦長に盾が贈られるなど、両国間の友好関係が強化されました。

デリーは1955年に改装され、1958年には艦の武装も更新されました。この時、2基の魚雷発射管が撤去され、艦首甲板が拡張されることにより、40mm連装機関砲の配備が行われました。

ゴア併合とその後

1961年、デリーはポルトガル領インドのゴア併合作戦において重要な役割を果たしました。インド海軍は海上制圧と支援砲撃の任務を担い、デリーは特にディーウ島の要塞化された拠点での作戦に投入されました。ここでデリーはポルトガルの艦船二隻に対して砲撃を行い、一隻を撃沈し、もう一隻は自沈に追い込みました。加えて、要塞の無力化を支援するための砲撃も行われました。

その後、デリーは1976年にモルディブ近海で座礁した練習艦のサルベージ作業にも参加し、艦の運用が退役後も続きました。1978年7月5日に正式に退役し、艦体の大部分は翌年に解体されることとなりましたが、3基の主砲塔は保存されることになりました。このうちの1基はニュージーランドに引き取られ、記念物として保存され、別の1基はインド陸軍の砲兵学校に設置されました。残りの1基はインド海軍に保管されましたが、後に行方不明となり、シロアリに食べられたという話もあります。

その他の情報

デリー号は1950年代に映画「戦艦シュペー号の最後」の撮影でも使用され、アキリーズ役を演じました。このように、デリー号はインド海軍にとって重要な歴史的存在となり、その貢献が今でも語り継がれています。

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