デルシー・ロドリゲス

デルシー・エロイナ・ロドリゲス・ゴメス

デルシー・エロイナ・ロドリゲス・ゴメス（Delcy Eloína Rodríguez Gómez、1969年5月18日生まれ）は、ベネズエラの著名な弁護士、外交官、そして政治家です。現在はベネズエラの副大統領を務めており、ニコラス・マドゥロ政権において重要な役割を担っています。

生い立ちと家族

1969年、デルシーはカラカスで、共産主義者のホルヘ・アントニオ・ロドリゲスの娘として生を受けました。彼女の父は、当時の大統領カルロス・アンドレス・ペレスを強く批判していましたが、1976年に政府に逮捕され、拷問を受けました。その結果、心臓発作を起こし、34歳という若さで亡くなりました。この出来事は、デルシーの人生に大きな影響を与えたと考えられます。

学歴と初期のキャリア

デルシーは1993年にベネズエラ中央大学を卒業し、法律の学位を取得しました。その後、同大学で教授として教鞭を執る傍ら、ベネズエラ労働弁護士協会内の組合会長も務めました。彼女は、法律と労働者の権利擁護に積極的に関わっていたことが伺えます。

政界への進出

2003年、デルシーは政界に進出し、ベネズエラ大統領府の一般調整に加わりました。その後、エネルギー鉱山省の国際問題責任者に就任し、2005年には欧州担当副大臣に任命されました。ウゴ・チャベス大統領の政権下では、2006年2月から8月まで大統領府大臣を務め、翌年には兄のホルヘ・ロドリゲス副大統領のゼネラルコーディネーターを務めました。2013年8月3日から2014年10月13日まで、ニコラス・マドゥロ大統領によって通信情報大臣に任命されました。

外務大臣、制憲議会議長、そして副大統領へ

デルシーはその後も要職を歴任し、2017年には、マドゥロ大統領が創設した制憲議会の議長を務めました。2018年6月14日には、タレック・エル・アイサミの後任として、ベネズエラの副大統領に任命され、現在に至ります。

国際的な論争と制裁

デルシー・ロドリゲスは、マドゥロ政権下の閣僚として、その有力な最側近の一人です。しかし、マドゥロ政権下での人権侵害に加担した疑いがあるとして、EU、アメリカ合衆国、コロンビア、カナダなどから国際制裁を受けています。2020年にはEUから制裁及び入国禁止を受けているにも拘らず、トルコへの外遊途中にEU加盟国のスペインの空港を訪問し、物議を醸しました。

メルコスールでの活動

2015年12月21日、デルシーはニコラス・マドゥロ大統領の代理人として、アスンシオンで開催された第49回メルコスール首脳会議に出席しました。この会議で彼女は、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領がベネズエラが指定している政治犯を恩赦したことに激しく反発しました。また、レオポルド・ロペスと公共の建物を攻撃する野党抗議者を描いた写真を提示し、ロペスの責任を主張しました。

米州機構（OAS）との対立

2016年から2017年にかけて、デルシーは米州機構（OAS）の事務総長であるルイス・アルマグロがベネズエラに関する制裁を認めたことに対し、激しい侮辱を繰り返しました。しかし、彼女はベネズエラの領土を守っているとして、ニコラス・マドゥロ大統領から国防勲章を授与されています。

家族構成

デルシーの兄であるホルヘ・ロドリゲスは、2007年に副大統領を務めたほか、2021年からは国民議会議長を務めています。また、パートナーであったアルフレド・ホセ・アンソラは2008年に飛行機事故で亡くなっており、現在は独身です。

デルシー・エロイナ・ロドリゲス・ゴメスは、ベネズエラの政治において重要な役割を果たしている人物であり、その行動は国内外から注目されています。

もう一度検索