トゥエンティグランド

トゥエンティグランド：アメリカ競馬史に輝く名馬

トゥエンティグランド (1928年 - 1948年) は、アメリカ合衆国で生まれ育ったサラブレッド競走馬です。類まれな才能と激動の競走生活で知られ、1931年の活躍により、アメリカ競馬史にその名を刻みました。

華々しいデビューとライバルとの激闘

1930年、2歳にしてデビューを飾ったトゥエンティグランドは、早くからその才能の片鱗を見せつけます。ジュニアチャンピオンステークスでは、当時すでに7勝を挙げていた強豪エクイポイズを破り、周囲を驚かせました。続くケンタッキージョッキークラブステークスでもエクイポイズとの対戦が実現し、トゥエンティグランドはレコードタイムで勝利を収めます。しかし、ピムリコフューチュリティではエクイポイズに敗れ、ライバル関係はさらに激化しました。

翌1931年、3歳シーズンを迎えたトゥエンティグランドは、新たなライバル、メイトとの戦いを強いられます。前年のウォルデンハンデキャップでメイトに敗れた雪辱を晴らすべく、トゥエンティグランドはプリークネスステークスに挑みます。しかし、メイトに惜しくも敗れ、三冠制覇の夢は途絶えました。

ケンタッキーダービー制覇と二冠達成

しかし、トゥエンティグランドはすぐさま意地を見せます。ケンタッキーダービーでは、メイトを大きく引き離して圧勝。コースレコードタイムを記録し、周囲を圧倒的な強さで魅了しました。続くベルモントステークスも制し、見事二冠馬の称号を獲得しました。

その後も、トゥエンティグランドは数々のレースで輝きを放ちます。トラヴァーズステークスやローレンスリアライゼーションステークスで快勝を収め、サラトガカップでは2着以下に10馬身差をつける圧巻の走りを見せつけました。ジョッキークラブゴールドカップも制覇し、1931年度の最優秀3歳牡馬、そして年度代表馬に選ばれました。

怪我と復帰、そして引退

しかし、輝かしい活躍の裏で、トゥエンティグランドは脚部を負傷してしまいます。その後も競走生活を続けましたが、怪我の影響で思うような成績は残せませんでした。種牡馬としての能力も無く、再び競走馬として復帰する道を歩むこととなります。

1932年、復帰戦で勝利を収めたトゥエンティグランドでしたが、その後は再び長期休養に入ります。1935年、7歳にして二度目の復帰を果たすと、古巣のエクイポイズとの再戦が実現します。両者とも衰えを見せていましたが、僅差のレースとなりました。エクイポイズの失格により、トゥエンティグランドが7歳時最後の勝利を手にしました。

イギリス遠征を経て、トゥエンティグランドは再び引退。故郷のグリーンツリーステーブルで功労馬として余生を送り、多くの名馬と共に「ガスハウス・ギャング」と呼ばれ、人々に愛されました。1948年、腸捻転により29歳でこの世を去ります。

不滅の功績と殿堂入り

トゥエンティグランドの功績は、後世に語り継がれています。1957年、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂入りを果たし、その名を永遠に刻みました。ライバルであったエクイポイズも同年に殿堂入りを果たしており、両者の激闘は、今なお語り草となっています。彼の偉業は、アメリカ競馬史に燦然と輝く一ページとして、後世に語り継がれていくことでしょう。

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