トグル入力

トグル入力とは

トグル入力は、スマートフォンや従来の携帯電話など、物理的なフルキーボードを持たない端末で、テンキーを用いて文字を入力する方式の一つです。「トグル打ち」「マルチタップ」「5タッチ」「かなめくり」「猿打ち」など、様々な名称で呼ばれることもあります。この入力方式は、トグルスイッチの動作に似ていることから名付けられましたが、実際にはロータリースイッチの動作に近いため、厳密には不正確な表現です。携帯電話のマニュアルでは、2タッチ入力（ポケベル打ち）に対して「かな入力」「かな方式」と表記されることもあります。

概要

トグル入力では、一つのキーに五十音の同一行や、アルファベットの3〜4文字といった複数の文字が割り当てられています。キーを押すごとに、割り当てられた文字が順番に表示されます。例えば、「1」のキーを繰り返し押すと、「あ→い→う→え→お→…」のように文字が切り替わります。この仕組みが、トグル入力の基本的な動作です。

多くのトグル入力システムには、文字の表示順を逆にする「逆トグル」機能や、「大文字小文字変換」機能も搭載されています。2011年時点では、携帯電話の代表的な文字入力システムであるATOK、iWnn、POBox Proは、いずれもこれらの機能に対応していました。

トグル入力は、2タッチ入力やシングルタップ方式と比較して、入力方法が単純で覚えやすいという利点があります。しかし、目的の文字を入力するために必要なキーストローク数が多くなりがちで、入力速度が遅くなるという欠点も持ち合わせています。

トグル入力の利点と欠点

利点:

覚えやすさ: 入力方法が単純で、初心者でもすぐに覚えることができます。
直感的な操作: キーを押すごとに文字が切り替わるため、直感的に操作できます。
物理キーの活用: 物理キーならではの確実なクリック感で、入力ミスを減らすことができます。

欠点:

入力効率の低さ: 目的の文字を入力するために、同じキーを複数回押す必要があり、入力速度が遅くなりがちです。
長文入力の困難さ: 長文を入力する際には、キーを何度も押す必要があり、入力に時間がかかります。

関連技術

トグル入力は、黎明期の携帯電話で主流だった入力方式ですが、フリック入力やソフトウェアキーボードの普及により、使用頻度は減少傾向にあります。しかし、今でも一部のユーザーには根強い人気があります。

関連項目

日本語入力システム
2タッチ入力
T9
フリック入力
かな入力
ローマ字入力
スマートフォン

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