トニー・エスポジト

トニー・エスポジト

トニー・エスポジト（Tony Esposito）は、1943年4月23日、カナダのオンタリオ州スーセントマリーに生まれたプロアイスホッケー選手であり、主にゴールテンダーとして活躍しました。彼のキャリアはシカゴ・ブラックホークスで大きな成功を収め、その後もホッケー界に多大な影響を与えました。兄のフィル・エスポジトと同様に、ホッケーの殿堂入りも果たしています。

経歴

エスポジトはミシガン工科大学で3度のオールアメリカンに選ばれ、1965年にはNCAA男子アイスホッケー選手権優勝に貢献しました。彼は防御率2.55という大学記録を持ち、セーブ率91.2%は歴代2位の数字として残されています。1967-1968シーズンからはウェスタン・ホッケー・リーグのバンクーバー・カナックスでプレーし、その後セントラル・ホッケー・リーグのヒューストン・アポロズでも活動しました。1968年にはモントリオール・カナディアンズでもプレーし、そこでの活躍が彼の後の成功に寄与することになります。

1970年、エスポジトはシカゴ・ブラックホークスに移籍し、シーズンで15回の完封試合を達成し、カルダー記念賞とヴェジーナ賞を獲得しました。この年、「トニー・ゼロ」という愛称でも知られ、NHLオールスターゲームにも選ばれます。1970-1971年シーズンにはチームをスタンレー・カップファイナルに導き、翌年も優れた成績を収めました。彼の防御率は1.77で、再度ヴェジーナ賞を獲得しました。

1972年にはサミット・シリーズでカナダ代表として参加し、特にその際に記録した防御率は高く評価されました。また、スタンレー・カップファイナルでも2回進出するものの、いずれもモントリオール・カナディアンズに敗れました。1973-1974年シーズンには完封勝利を10回記録し、再びヴェジーナ賞を受賞しました。彼はこの時期、チームが低迷している中でも自己のパフォーマンスを維持し続けました。

1981年にはアメリカ市民権を取得し、カナダカップでアメリカ代表として出場しました。エスポジトは1983-1984シーズンをもって現役引退し、その後は指導者やマネージャーとしての道を歩むことになります。1988年、彼はホッケーの殿堂入りを果たし、彼の背番号35はブラックホークスの永久欠番となりました。

彼のアイスホッケーにおける影響は大きく、特にバタフライスタイルのゴールテンダーとしてのスタイルは後の世代にも指示され、広く普及しました。エスポジトは生涯を通じてアイスホッケー界において多くの人員に影響を与え続けました。

2021年8月10日、トニー・エスポジトは膵がんのため78歳でこの世を去りました。彼の功績と影響力は今もホッケー界において語り継がれ、数多くのファンや選手たちに記憶されています。

もう一度検索