トニー・ゴンザレス (外野手)

アンドレス・アントニオ・ゴンザレス（Andres Antonio Gonzalez、1936年8月28日 - 2021年7月2日）は、キューバ出身のプロ野球選手で、主に外野手として活躍しました。

プロ入りとMLBでの活躍

モロン・カマガイ高校からシンシナティ・レッズに入団し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。1960年シーズン途中にはフィラデルフィア・フィリーズに移籍し、1968年まで在籍。その後、サンディエゴ・パドレス、アトランタ・ブレーブス、カリフォルニア・エンゼルスなど、複数の球団を渡り歩きました。

MLBでの特筆すべき出来事として、1964年シーズンにMLB史上初めて耳当て付きヘルメットを着用して打席に立ったことが挙げられます。これは、彼の安全意識の高さと、新しいものへの積極的な姿勢を示すエピソードと言えるでしょう。

また、打撃面では、対右投手に対しては通算打率.303と得意としていましたが、対左投手に対しては.219と極端に苦手としていました。この左右の投手に対する打率の差は、彼のMLBでのキャリアにおける特徴の一つでした。

広島東洋カープでの挑戦と引退

1972年には、リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルでプレーしていましたが、同年7月に広島東洋カープに入団。メジャーリーグでの通算1485安打、通算打率.286という実績から、日本のプロ野球界でも大きな期待が寄せられました。

しかし、年齢的な衰えもあってか、同時期に入団したソイロ・ベルサイエスと同様に、期待されたほどの活躍は見られませんでした。同年限りで現役を引退し、短い期間ではありましたが、日本のプロ野球史にその名を刻みました。

記録

NPBでの記録は以下の通りです。

初出場・初打席：1972年8月1日、対読売ジャイアンツ10回戦（広島市民球場）、8回裏に金城基泰の代打として出場、堀内恒夫から凡退
初安打：1972年8月2日、対読売ジャイアンツ11回戦（広島市民球場）、11回裏に井上弘昭の代打として出場、秋本祐作から単打
初先発出場：1972年8月8日、対ヤクルトアトムズ14回戦（明治神宮野球場）、5番・左翼で先発出場

背番号

22 （1960年 - 1962年）
25 （1962年 - 1968年）
43 （1969年）
25 （1969年）
43 （1970年）
25 （1970年 - 1971年）
59 （1972年）

まとめ

アンドレス・アントニオ・ゴンザレスは、MLBでの豊富な経験と実績を引っ提げて広島東洋カープに入団しましたが、短い在籍期間で現役を引退しました。しかし、MLB史上初の耳当て付きヘルメットを着用した選手として、その名前は野球史に刻まれています。彼の野球に対する真摯な姿勢と、新しいものへの挑戦心は、多くの人々に感銘を与えました。

参考文献
中国新聞社・「カープの歩み1949～2011」
ベースボールマガジン社・「広島東洋カープ60年史」

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