トミー・リピューマ

トミー・リピューマ：音楽史に名を刻むプロデューサー

トミー・リピューマ（Tommy LiPuma、1936年7月5日 - 2017年3月13日）は、アメリカを代表する音楽プロデューサーであり、ヴァーヴ・ミュージック・グループの会長を務めました。オハイオ州クリーブランド出身の彼は、そのキャリアを通じて、数多くのアーティストの才能を開花させ、音楽史に輝かしい足跡を残しました。

キャリアの初期

リピューマは、1968年にボブ・クラズノーが設立したブルー・サム・レコードに、ドン・グレアムと共に参加したことがキャリアの始まりです。その後、リバティ/インペリアル、A&Mといったレコード会社で経験を積み、その才能を磨きました。A&M時代には、ハーブ・アルパートからサンドパイパーズのプロデュースを任され、「グァンタナメラ」を大ヒットさせています。

ブルー・サム時代

ブルー・サム・レコード時代には、フィル・アップチャーチやベン・シドランといったアーティストを手掛けました。フィル・アップチャーチは、リピューマを「音楽業界でも最高の耳を持っている」と絶賛しています。

ワーナー・レコードでの成功

ワーナー・レコード時代には、ジョージ・ベンソンのアルバム『ブリージン』をプロデュースし、大成功を収めました。このアルバムは、リピューマのキャリアにおける代表作の一つとして知られています。

A&Mレコードへの再加入とホライズン・レコード設立

A&Mレコードに再び所属した際には、自己のレーベルであるホライズン・レコードを設立し、ニール・ラーセンやシーウィンドなどのアーティストを輩出しました。1978年には、A&Mが日本のアルファレコードと提携した際に来日し、デビュー間もないイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）を世界に紹介するきっかけを作りました。

ワーナー・エレクトラ、GRPでの活躍

1990年には、ワーナーのジャズ部門のシニア・ヴァイス・プレジデントに就任し、ナタリー・コールやアニタ・ベイカーといったアーティストを手掛けました。1994年には、GRPレコードの創設者であるデイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンの後任として就任し、GRPでホライズン・レコード、インパルス!レコードを復興させました。

プロデュース作品と受賞歴

リピューマは、マイルス・デイヴィス、ポール・マッカートニー、イエロージャケッツ、ジョージ・ベンソン、ダイアナ・クラールなど、数多くの著名なアーティストをプロデュースし、グラミー賞を幾度も受賞、ノミネートされています。彼のプロデュース作品は、ジャズ、クロスオーバー、フュージョンといったジャンルに多岐にわたり、その音楽性は高く評価されています。

音楽業界への貢献

トミー・リピューマは、その卓越した才能と音楽への情熱によって、音楽業界に多大な貢献をしました。彼のプロデュース作品は、時代を超えて愛され続け、後世の音楽家たちに多大な影響を与えています。

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