インパルス!レコード

インパルス!レコードの概要

インパルス!レコードは、1960年にクリード・テイラーによって設立されたジャズ専門のレーベルです。テイラーはABCパラマウント・レコードのプロデューサーで、この新しいレーベルのビジョンは、質の高いジャズ音楽を広めることでした。インパルス!は、その革新的なアプローチと独特のデザインが特徴的です。特に、黒とオレンジで統一された見開きジャケットは、多くのジャズファンに親しまれています。

レーベルの初期には、ボブ・シールがプロデューサーとして多くのアルバムを手がけ、ルディ・ヴァン・ゲルダーがサウンド・エンジニアとしてその音質を高めました。インパルス!レコードは、フリー・ジャズのレーベルとして知られていますが、ベン・ウェブスターやベニー・カーターといったアーティストのアルバムもリリースし、スウィングやモダンジャズにもその範囲を広げました。また、1960年代後半にはフュージョン的な音楽も手がけるようになりましたが、初期の主力アーティストであるジョン・コルトレーンの死去が影響し、レーベルの活動は徐々に減退していきました。

1970年代には、コルトレーンの未公開演奏をアルバム化するなどの試みが行われましたが、活気は戻らず、新譜発表は停滞していきました。最終的には、1970年代後半に新しい作品を発表しないという決断が下されました。

しかし、1995年にプロデューサーのトミー・リピューマが関連することにより、インパルス!レコードは活動を再開し、過去のカタログをCDとして再リリースすることを始めました。また、古くからのアーティスト（マッコイ・タイナーやアリス・コルトレーンなど）の新録音も行われています。

インパルス!レコードは現在、ユニバーサル ミュージック グループの一部であるヴァーヴ・ミュージック・グループに属し、主に過去の作品の再発を行っています。レーベルの代表的なアーティストには、アルバート・アイラー、ギル・エヴァンス、デューク・エリントン、オーネット・コールマン、そしてソニー・ロリンズなどが名を連ねています。これらのアーティストは、インパルス!レコードに多大な影響を与え、その音楽的遺産を築く重要な存在でした。

沿革

• - 1960年：インパルス!レコード設立。ジャズ専門レーベルとして活動開始。
• - 1961年：クリード・テイラーがヴァーヴ・レコードへ移籍し、ボブ・シールがプロデューサーとなる。
• - 1967年：ジョン・コルトレーンが死去、レーベルの活気が減退。
• - 1969年：ボブ・シールが独立。
• - 1979年：ABCと共にMCAレコードに売却。
• - 1995年：トミー・リピューマの指導のもと、活動再開。過去のカタログをCD化。
• - 1998年：ユニバーサルとポリグラムの合併により、ヴァーヴ・ミュージック・グループの一部となる。

インパルス!レコードは、ジャズの歴史において重要な役割を果たしてきたレーベルであり、今後もその音楽的遺産を継承し続ける存在であると言えるでしょう。

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