トヨタビスタ店

トヨタビスタ店：革新的な販売チャネルの興亡

トヨタビスタ店は、1980年4月から2004年4月まで存在した、トヨタ自動車の販売チャネルの一つです。従来の自動車販売の常識を打ち破る、数々の革新的な試みで注目を集めました。

歴史

1980年4月、トヨタビスタ店は沖縄県を除く全都道府県で、66の販売会社によって営業を開始しました。当時、自動車の販売は訪問販売が主流でしたが、ビスタ店はショールームでの販売を重視し、日曜営業を行うなど、新たな販売スタイルを確立しようとしました。

同時に、クレスタやブリザードといった専売車種を発売し、他店との差別化を図りました。その後も、ビスタ、ターセル、MR2、アリスト、カレン、ファンカーゴ、WiLL Vi、プロナード、スパーキー、WiLL VS、ヴェロッサ、WiLL サイファ、アベンシスなど、多様な車種を投入し、顧客のニーズに応えていきました。

2000年4月には、誕生20周年を機にロゴを一新し、店舗デザインやカタログもリニューアルしました。キャッチフレーズも「Welcome To VISTA」から「ACCESS VISTA」へ変更し、新たなイメージを打ち出しました。

しかし、2004年4月、トヨタ自動車の販売網再編の一環として、ネッツトヨタ店（旧トヨタオート店）と統合し、トヨタビスタ店は消滅しました。同時に、ヴェロッサ、WILL VS、プロナードといった車種も廃止されました。

取り扱い車種

ビスタ店では、数多くの車種が販売されていました。主な車種は以下の通りです。

ビスタ店専売車種

セダン：ビスタ、ターセルセダン、クレスタ、WiLL Vi、プロナード、ヴェロッサ、アベンシスセダン
クーペ：カレン
ハッチバック / ステーションワゴン：ターセルハッチバック、WiLL VS、アベンシスワゴン
ミニバン：レジアス、スパーキー
SUV：ブリザード
商用車（バン / トラック）：レジアスエース

他系列店との併売車種

セダン：セリカカムリ、セプターセダン、アリスト、オリジン、マークII教習車、コンフォート教習車
クーペ / スポーツカー：MR2、セラ、サイノス、セプタークーペ、MR-S
ハッチバック / ステーションワゴン：セプターワゴン、WiLL サイファ、ラウム、ファンカーゴ
ミニバン：ハイエースワゴン、イプサム、ランドクルーザープラド、ウィッシュ、アルファードV
SUV：クルーガーV、ハリアー
商用車（バン / トラック）：ハイエース

沖縄地区での取り扱い

沖縄県にはトヨタビスタ店が存在しなかったため、ビスタ店専売車種は、沖縄トヨタ、沖縄トヨペット、トヨタカローラ沖縄、ネッツトヨタ沖縄（旧トヨタオート沖縄）の各社で取り扱われていました。

その後

トヨタビスタ店は消滅しましたが、そのDNAはネッツ店に引き継がれました。統合後も、一部の販売会社では、旧オート店とビスタ店の経営母体が異なる関係で、同一地域にオート店由来のネッツ店とビスタ店由来のネッツ店が存在し、営業拠点が近接しているケースも見られます。

最後までビスタ店専売車種として残っていたレジアスエースも、2020年4月17日に販売を終了し、ビスタ店専売車種は全て姿を消しました。

トヨタビスタ店は、短い期間ながらも、自動車販売の歴史に大きな足跡を残しました。その革新的な試みは、今日の自動車販売のあり方にも影響を与えています。

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