トヨタ・クラウンマジェスタ

クラウンマジェスタ（CROWN MAJESTA）

クラウンマジェスタは、トヨタ自動車が生産・販売していた高級4ドアセダンです。取扱店はトヨタ店でした。
愛称は「マジェスタ」、「マジェ」と呼ばれていました。

概要

1989年8月、8代目クラウンのマイナーチェンジで、新開発の4.0L V型8気筒DOHCエンジンが搭載され、クラウンマジェスタの歴史が始まりました。これは同年10月に登場するセルシオに先駆けての搭載でした。クラウンの更なる上位車種として、クラウンとセルシオの中間を埋める形で登場しました。

初代からフロントガラスに情報を表示するヘッドアップディスプレイ（HUD）を標準装備し、他車との差別化を図っていました。しかし、5代目以降は廃止されました。初代は日本国内専用車として設計・生産されましたが、4代目は中国の紅旗・HQ3（盛世）のベースとなり、5代目からは中国におけるクラウンの現地生産車としても採用され、中国戦略車としての役割も担いました。

初代 S140型（1991年 - 1995年）

9代目クラウンと同時に登場し、セルシオとの間に位置する車種として投入されました。エンジンはクラウンの直列6気筒3.0LとセルシオのV型8気筒4.0Lの2種類。当時セルシオにもなかったエレクトロマルチビジョンが採用されました。アリストとは兄弟車種で、シャシーを共有していました。

全体的に丸みを帯びたフォルムを持ち、横長のリアコンビネーションランプが特徴的でした。ハイマウントストップランプにはLEDが使用されていましたが、経年劣化による低照度化のため、後世代では白熱バルブ式に変更されました。
クラウン初のフルモノコックボディを採用し、ピラードハードトップの形状でした。

グレードは「Cタイプ」「Bタイプ」「Aタイプ」の3種類があり、Cタイプが4.0L、BタイプとAタイプが3.0Lでした。Cタイプにはリアに「V8」のエンブレムが付いていました。

1992年には4WDのCタイプi-Fourが追加され、同時に装備を簡略化したタイプSシリーズも追加されました。1993年にはマイナーチェンジでフロントグリル、リアコンビネーションランプの意匠が変更され、1995年に2代目と入れ替わる形で販売終了しました。

2代目 S150型（1995年 - 1999年）

1995年8月に10代目クラウンと共にフルモデルチェンジ。エンジンの出力が向上しました。CMの音楽は久石譲が手がけました。

初代の丸みを帯びたデザインから、直線的なデザインに変更。テールランプも縦型となりました。

バブル崩壊後に登場したことで、初代に比べるとインテリアの装備品の簡略化が見られました。

1997年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更され、ディスチャージヘッドランプが採用されました。また、ボディが衝突安全ボディGOAへと進化しました。

3代目 S170型（1999年 - 2004年）

1999年9月に発売。このモデルからプラットフォームが一新され、ボディ形状がハードトップからドアサッシュを持つセダンへ変更されました。

搭載エンジンは先代と同じですが、4.0Lモデルは出力が向上。4.0L Cタイプにはエアサスペンションが装着され、4WD仕様のi-Fourも存在しました。

2001年のマイナーチェンジでフロントグリル、テールランプなどが変更されました。

4代目 S180型（2004年 - 2009年）

2004年7月にフルモデルチェンジ。「ダイナミック＆マジェスティックセダン」をキャッチフレーズに、新プラットフォームで製作されました。縦型テールランプは継承されましたが、フロントのエンブレムがトヨタエンブレムに変更されました。

エンジンはV型8気筒DOHC4.3Lのみとなり、トランスミッションは6速ATのみ。グレードはCタイプとAタイプの3グレード。

2006年のマイナーチェンジでフロントグリルの横桟が縦桟に変更され、ナビがHDDタイプに変更されました。

5代目 S200型（2009年 - 2013年）

基本的に先代のキープコンセプトですが、全体的に落ち着いたデザインになりました。ボディサイズは拡大されましたが、レクサス・LSよりは小さく、セルシオに近いサイズでした。

エンジンはレクサス・LSやGSにも搭載されているものと同じものが採用されました。

グレード体系が変更され、GタイプやFパッケージが新設されました。

6代目 S210型（2013年 - 2018年）

2013年9月にフルモデルチェンジ。マジェスタ専用ボディは廃止され、14代目クラウン・ロイヤルのホイールベースを延長した車体となりました。車種名が「クラウン」に変わり、クラウン内のシリーズ名となりました。

V8エンジンが廃止され、全車種ハイブリッド専用車となりました。

マジェスタとしての外観上の独自デザインは、グリルのバーを縦バーに変更、フロントバンパー下部へのクローム加飾追加などがありました。

2014年にはハイブリッドフルタイム4WD車「マジェスタFour」が発売されました。

2018年6月に販売終了し、マジェスタは27年の歴史に幕を閉じました。

車名の由来

英語のMAJESTIC（威厳のある、荘厳な、堂々とした）からの造語とされています。

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