トヨタ・ソルーナ

ソルーナ（SOLUNA）は、トヨタ自動車が1996年から2002年まで東南アジア地域で販売していたサブコンパクトセダンです。この車は、5代目ターセルセダン（日本国内ではコルサセダンとしても販売）をベースに開発された、東南アジア市場向けの戦略車種として位置づけられていました。

開発の背景

ソルーナの開発は、当時のトヨタ小型車開発において、新たなアプローチが取られました。既存のカローラをグレードダウンさせるのではなく、より低いベースを設定し、必要最小限の要素を積み上げていくことで、大幅なコスト削減を目指しました。開発主査は、後に9代目カローラシリーズの開発を手がける吉田健氏が担当しました。

製造と販売

ソルーナの生産は、タイのトヨタ・モーター・タイランド・ゲートウェイ工場で行われました。1996年にタイで先行販売が開始された後、インドネシアやマレーシアなど、他の東南アジア諸国にも展開されました。現地の顧客の要望を幅広く取り入れた設計とデザインが特徴で、中間所得層でも購入しやすい価格設定がなされたこともあり、発売直後から高い人気を集めました。

マイナーチェンジと販売終了

しかし、1997年に発生したアジア通貨危機の影響を受け、その後の経済状況が悪化。2000年には、品質向上を目的としたマイナーチェンジが実施されました。具体的には、マルチリフレクターヘッドランプの標準装備化や、分割式前後バンパーの廃止などが行われましたが、販売台数は回復せず、東南アジアにおけるエントリーセダンとしてのイメージリーダーとしての役割を十分に果たすことができませんでした。

2002年、ソルーナは後継車種であるヴィオスにその役割を譲り、販売を終了しました。短期間での販売終了となりましたが、ソルーナは東南アジア市場におけるトヨタの戦略的なエントリーモデルとして、一定の足跡を残しました。

関連車種

トヨタ・ターセル
トヨタ・コルサ
トヨタ・プラッツ
トヨタ・ベルタ
トヨタ・ヴィオス
トヨタ・エティオス

もう一度検索