トヨタ・プラッツ

トヨタプラッツ（PLATZ）

トヨタ自動車が1999年から2005年にかけて製造・販売していた小型4ドアセダンです。ヴィッツをベースに開発され、その実用性と経済性から国内外で広く親しまれました。

概要

プラッツは、北米市場向けのターセル、日本市場向けのコルサ4ドアセダン、スプリンターセダンの後継モデルとして登場しました。初代ヴィッツをベースにトランクを追加したモデルで、車台やダッシュボード、フロントドアのアウターパネルなどはヴィッツと共通化されています。

エンジンは、FF車には1.0Lの1SZ-FE型と1.5Lの1NZ-FE型が搭載され、4WD車には1.3Lの2NZ-FE型が搭載されました。トランスミッションは4速AT（Super ECT）と5速MTが選択可能でした。

海外市場では、北米ではエコー（ECHO）という名称で販売され、4ドアセダンの他に2ドアクーペや1:2ドア版も存在し、バジェットカーとして人気を集めました。その他、一部の東欧、オセアニア、中近東、新興国などでは、ヤリス（YARIS）のセダンモデルとして販売されました。中国では天津一汽夏利汽車ブランドで生産され、初期モデルはシャーリー2000からヤァクーに名称変更され、マイナーチェンジ後の後期モデルはヴェラ（VELA/威楽）という名称で販売されました。

プラッツは、ヴィッツのプラットフォームをベースとしているため、実用性や経済性に優れています。コンパクトなサイズながら車内は広く、トランク容量も大きいため、使い勝手が良いのが特徴です。インパネにはセンターメーターレイアウトが採用され、アナログ式とデジタル式がありました。ホイールベースは2,370mmと軽自動車並みの短さでありながら、広い室内空間を確保しています。同時発売されたファンカーゴと共に、当初からISOFIX対応のリアシートが全車標準装備されたことも特徴です。新車価格も比較的低く抑えられていたため、社用車や小型警ら車としての需要もありました。また、ヴィッツ、ファンカーゴと共に、第20回1999-2000日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

型式

CP1#型 (1999年-2005年)
日本・米国・東欧・オセアニア・中近東仕様：1999年 - 2005年
中国仕様：2000年 - 2013年

年表

1999年（平成11年）8月30日 - 発表および発売。「21世紀へ、お先に。」「安全プラッツ」「低燃費プラッツ」というキャッチコピーが用いられました。
2000年（平成12年）
8月 - 一部改良。ボディカラーにペールローズメタリックオパールを追加。「1.0F Eパッケージ」を廃止。FF車に「1.5X プレミアムバージョン」と「1.0F プレミアムバージョン」、4WD車に「1.3X プレミアムバージョン」と「1.3F プレミアムバージョン」を追加。「1.0F ビジネスパッケージ」にブレーキアシストとABSを標準装備。全車「平成12年基準排出ガス25%低減レベル」（☆・G-LEV）を達成。
12月 - 一部改良。ボディカラーのスーパーホワイトIIをホワイトに変更。EBD付ABSを全車標準装備化。
2001年
8月 - 一部改良。「プレミアムバージョン」にメーカーオプションの専用ボディカラー、ホワイトパールマイカの追加設定と専用シート表皮の仕様変更。「F Lパッケージ」に「リミテッド」を追加し、ワイヤレスリモコンドアロックを全車標準装備化。
12月 - 一部改良。1.0L車が「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」（☆☆☆・U-LEV）を達成。
2002年
8月29日 - マイナーチェンジ。CMキャラクターに高橋里奈を起用。内装ではインパネのデザインや車内の色調を変更。外装ではマークエンブレム、フロントグリル、ヘッドライト、バンパー、リアコンビネーションランプ、トランクリッドのデザイン、リアナンバープレートの位置などを変更。1.5L車のスチールホイール装着車はサイズを14インチから15インチに変更。全車「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」（☆☆☆・U-LEV）を達成。
2003年 8月 - 一部改良。「X」と「F Lパッケージ」に助手席買い物アシストシートとフロントツインカップホルダー照明を追加。「X」の5速MT車と「X Sパッケージ」を廃止。ボディカラーのダークグリーンマイカをグレーマイカメタリックに変更。
2004年
2月 - 一部変更。全車「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」（新☆☆☆・U-LEV）を達成。1.0Lおよび1.5L・5速MT車に「平成22年度燃費基準+5%達成車」、1.3Lの4WD・5速MT車と1.5L・4速AT車に「平成22年度燃費基準達成車」の認定。
4月1日 - ネッツ店での販売を終了し、トヨペット店の専売車種となる。
2005年
10月 - 生産終了。在庫対応分のみ販売。
11月28日 - 在庫対応分が完売し販売終了。実質的な後継車はベルタとなりました。

車名の由来

ドイツ語で「広場」という意味です。

取扱ディーラー

発売当初はトヨペット店（大阪地区は大阪トヨタ）とネッツ店で販売されていましたが、2004年 4月の旧ビスタ店と旧ネッツ店の統合により、トヨペット店のみの取り扱いとなりました。

トヨタ・プラッツ