トヨタ・エティオス

トヨタ・エティオス：新興国戦略車からモータースポーツへの挑戦

トヨタ自動車が製造・販売していたエティオスは、Bセグメントに属するサブコンパクトカーです。ヤリスよりも一回り小さいサイズで、主にインド、南アフリカ、インドネシア、ブラジルなどの新興国市場をターゲットとした戦略車種として開発されました。セダンとハッチバックの2つのボディタイプが存在し、ハッチバックは市場によってエティオスリーバ、またはエティオスファルコという名称で販売されていました。

開発と展開

「World First, India First」を合言葉に、まずインド市場に投入され、その後ブラジルなどへ展開を広げました。しかし、2021年8月時点では、アルゼンチンやペルーなど南米の一部の国でのみ販売が継続されています。

初代（AK10/10H型、2011年 - ）

2010年1月、ニューデリーオートエクスポでセダンとハッチバックのコンセプトカーが公開され、同年12月1日に予約が開始されました。同年12月29日には、インド現地法人のトヨタ・キルロスカ・モーター（TKM）のバンガロール第2工場でラインオフ式典が実施されました。

エティオスのセダンは、1.5リットルのガソリンエンジンを搭載し、価格は49万6,000～68万6,500ルピー（日本円で約100万円前後）でした。2011年6月には、ハッチバックのエティオスリーバが追加され、新たに開発された1.2リットルのガソリンエンジンが搭載されました。部品の現地調達率を約70％から90％近くまで引き上げ、年産7万台を目指していました。

2012年4月、TKMはエティオスの南アフリカへの輸出を開始し、同年5月にはトヨタ・サウスアフリカ・モーターズ（TSAM）が販売を開始しました。南アフリカ仕様車はセダン、ハッチバック共にラインナップされ、エンジンは1.5リットルガソリンのみの設定でした。

2012年8月には、ブラジル・サンパウロ州に建設されたソロカーバ工場の開所式が行われ、同月中旬よりブラジル向けのエティオスの生産が開始されました。ブラジル仕様車はフレックス燃料車となり、1.3リットルの1NR-FBEがハッチバックのみに、1.5リットルの2NR-FBEがハッチバックとセダンの両方に搭載されました。

2013年3月には、インドネシアでハッチバックモデルのエティオスファルコの販売が開始されました。

2014年10月にはマイナーチェンジが実施されました。

2017年10月、インドネシアのハッチバックモデル「エティオスファルコ」の生産が終了しました。

2018年1月、インドネシアのハッチバックモデル「エティオスファルコ」の販売が終了。アギアと統合されました。

2020年4月1日、トヨタ・キルロスカ・モーターはエティオスの生産終了を発表しました。スズキとの提携に基づき、インド市場では2019年6月からスズキ・バレーノのOEM供給を受け、グランツァの車名で販売されています。これはエティオスハッチバック（リーバ）の事実上の後継車種となります。セダンについてはXP150型ヤリスがトヨタのエントリー車種となりました。また、これによって南アフリカ共和国でも販売が終了しましたが、後継車種として同年9月21日にインド市場と同様にバレーノのOEM供給を受けてスターレットとして販売を開始しました。

2021年4月、ヤリスに統合される形でブラジル国内向けの販売を終了。アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ペルー向けの輸出生産は継続されました。

モータースポーツへの挑戦

2012年のニューデリーオートエクスポで、トヨタは2013年よりインド国内においてエティオスのワンメイクレースを行うと発表し、レース仕様のエティオスも公開されました。

2017年には、フランスのコンストラクターであるオレカがグループR4向けに開発するエティオスリーバのマシンが公開されました。

車名の由来

車名の由来は、ギリシャ語の「精神、理念」を意味するEthos（エトス）から作られた造語です。

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