トライアングル・プロダクション

トライアングル・プロダクション：時代を彩った音楽制作の軌跡

トライアングル・プロダクションは、1975年に藤田浩一によって設立された音楽プロダクションです。グループ・サウンズの時代から音楽に携わってきた藤田が、AORやR&Bの影響を受け、独自の音楽性を追求しました。そのサウンドは「トライアングル・サウンド」と呼ばれ、1980年代の日本の音楽シーンを席巻しました。

トライアングル・サウンドの確立と隆盛

レイジー、角松敏生、オメガトライブ、菊池桃子など、トライアングル・プロダクションは数多くの才能を輩出しました。これらのアーティストは、藤田浩一のプロデュースのもと、都会的で洗練された音楽を次々と発表し、大ヒットを記録しました。特に1980年代は、ポータブルオーディオやカーオーディオが普及し始めた時期であり、トライアングル・サウンドの爽やかな作風は、レジャーやドライブといった新しい音楽の楽しみ方とも合致し、幅広い層に支持されました。

藤田浩一は、サウンドに対する情熱とこだわりを強く持っていました。レコーディングが終わった後も、自らカーオーディオで試聴し、納得がいくまで調整を重ねたと言われています。オメガトライブの企画アルバムに見られるように、海辺でのレジャーやドライブといった具体的なシーンを意識した音楽制作も行われました。

トライアングル・プロダクションの終焉とその後

1995年、藤田浩一はプロデュース業から引退し、トライアングル・プロダクションは音楽制作を停止しました。所属タレントはそれぞれ移籍・独立し、2009年には会社自体が消滅しました。しかし、トライアングル・プロダクションが残した功績は、その後の音楽シーンに大きな影響を与え続けています。

レイジーのメンバーであった高崎晃と樋口宗孝は、LOUDNESSを結成し、日本人として初めてマディソン・スクエア・ガーデンに出演しました。井上俊次は、アニソン制作会社ランティスを設立し、日本のアニメブームを牽引しました。角松敏生、オメガトライブ、菊池桃子は、ソロアーティストとして確固たる地位を築き、2010年代のシティ・ポップブームで海外からも再評価されています。

藤田浩一の没後、トライアングル・プロダクションは消滅しましたが、系列のバミューダ音楽出版が事業の一部を引き継ぎ、かつてTWIN FIZZとして活動していた仁科かおりが社長を務めています。トライアングル・プロダクションのDNAは、形を変えながらも、今もなお受け継がれています。

トライアングル・プロダクションに在籍した主な音楽家たち

レイジー
影山ヒロノブ
高崎晃
井上俊次
田中宏幸
樋口宗孝
トロワ
大場佳文
白石嘉彦
竹市克己
角松敏生
オメガトライブ
杉山清貴
カルロス・トシキ
菊池桃子
井浦秀知
池田政典
TWIN FIZZ
仁科かおり
中谷内映（現・小池映）
* KAZZ（川上和之）

トライアングル・プロダクションは、日本の音楽史に名を刻む、重要な音楽プロダクションの一つです。そのサウンドは、時代を超えて、多くの人々に愛され続けています。

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