トラスト (競走馬)

トラスト (Trust) について

トラストは日本の競走馬であり、特に2016年の札幌2歳ステークスでの華々しい勝利が記憶に残る存在です。この年に競走馬としてデビューし、瞬く間に注目を集めました。彼は2016年度においてNARグランプリ最優秀ターフ馬に選抜されるなど、その実力を証明しました。

トラストは、2016年5月27日に川崎競馬場で行われたスパーキングデビュー（新馬）で最初のレースを迎え、見事に1着を獲得しました。続く若草特別では、直線入り口で他馬に5馬身差をつけ、さらなる追い上げにより2着のフリフリバードに対して2秒4差をつけての連勝記録を樹立しました。この好調が報道される中、彼は2017年のダービーステークスの登録も果たしましたが、その後のクローバー賞ではブラックオニキスに敗れ、2着に終わりました。

その後、9月の札幌2歳ステークスでは、スタートから先頭を取り、そのまま押し切ってブラックオニキスに2馬身半差で勝利を収めます。レース後、飼い主の岡田繁幸は、目標をダービーステークスから東京優駿に変更することを発表し、トラストは栗東トレーニングセンターの中村均厩舎に移籍しました。

移籍後の初戦、東京スポーツ杯2歳ステークスでは5着、続く朝日杯フューチュリティステークスでも同じく5着と成績は伸び悩みましたが、シーズン中に最優秀ターフ馬に選ばれたことは、彼の評価を高める要因となりました。

3歳に入ると、初戦のシンザン記念で4着、毎日杯でも5着と掲示板を外さないものの、G1競走の皐月賞やNHKマイルカップ、東京優駿では6着以下と苦戦が続きました。その後、秋に出走した丹頂ステークスの1走のみで、4歳以降もオープン特別に出走するも勝利はありませんでした。

そこでトラストは障害競走に転向し、2018年10月27日の障害未勝利戦で久しぶりの勝利を挙げ、「秋陽ジャンプステークス」でも逃げ切り勝ちを収めるなど、障害競走でもその実力を発揮しました。しかし、さらなる期待が高まった矢先に屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされました。

2019年に入り、中村均厩舎の後輩で新たに開業した長谷川浩大厩舎に所属を移しましたが、秋に東京ハイジャンプで復帰した際は3着にとどまりました。その後、牛若丸ジャンプステークスで復帰を果たし、エアカーディナルとの接戦を制し勝利を収めました。このレースでは熊沢重文騎手が後続を振り返る場面も見受けられ、おおいに観客を沸かせました。

次の阪神スプリングジャンプでは3着となり、その後の東京ジャンプステークスでは5着に終わり、再び休養に入ります。2021年初戦では岡田繁幸の急死も影響しながらも出走しましたが、サラブレッドクラブ所有の馬に2着、そしてその後もマーニに2着と続きました。これが彼の競走馬としての最後のレースとなり、2021年6月24日付でJRAの競走馬登録を抹消されました。

トラストはその後は乗馬として新たな生活をスタートし、2022年2月からは阪神競馬場の誘導馬へと役割を移しました。彼の勇敢な競走人生は、多くのファンに心に残ったことでしょう。

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