トランスヨルダン首長国

トランスヨルダン首長国

トランスヨルダン首長国（アラビア語: إمارة شرق الأردن）は、1921年4月11日に、ヨルダン川東岸の地を統治するために設立されたイギリスの保護領でした。この地域は、第一次世界大戦でオスマン帝国が敗北した後、占領下敵国領政庁の管理下に置かれていました。

成立の背景

第一次世界大戦後、トランスヨルダン地域は、一時的にシリア・アラブ王国の支配を受けました。しかし、1920年7月のマイサルーンの戦いで、シリア国王ファイサル1世が追放されたことで、この地域は再び不安定な状態に陥ります。イギリスは、委任統治領パレスチナとトランスヨルダンとの明確な繋がりを避ける政策を取りました。

このような状況の中、アブドゥッラー1世が1921年3月2日にトランスヨルダンに移住しました。その後のカイロ会議で、アブドゥッラー1世を首長とし、イギリス委任統治領パレスチナの下で自治を行うことで合意が成立しました。

ハーシム家の統治

ハーシム家は、トランスヨルダン首長国だけでなく、隣接するイギリス委任統治領メソポタミア、そして一時的にはヒジャーズ王国も統治していました。この地域におけるハーシム家の影響力は非常に大きなものでした。

王国への昇格と独立

1946年5月25日、トランスヨルダン首長国は王国へと昇格し、国号をトランスヨルダン・ハシミテ王国と改めました。同年6月17日には、ロンドン条約の批准書がアンマンで交換され、名実ともに完全な独立を達成しました。これにより、トランスヨルダンは国際社会の一員として認められることとなりました。

ヨルダン・ハシミテ王国への変遷

1949年、トランスヨルダンはパレスチナのヨルダン川西岸地区を併合し、ヨルダン川の両岸を統一しました。この結果、国号を現在のヨルダン・ハシミテ王国へと変更しました。この変更は、ヨルダンが地域における役割を再定義する上で重要な意味を持ちました。

参考文献

Jordan – History: The making of Transjordan, King Hussein's official page
U.S. Library of Congress country study

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