トリエチルアミン

トリエチルアミン：性質、製造、用途、取り扱いに関する詳細解説

トリエチル[アミン]は、有機化合物の一種であり、第三級アミンに分類されます。常温では無色で、特徴的なアンモニア臭を放つ揮発性液体です。その強い塩基性と様々な有機溶媒への溶解性から、医薬品、界面活性剤、ゴム、除草剤、塗料などの製造において幅広く用いられています。しかし、引火性が高く、酸や酸化剤との反応性も強いことから、取り扱いには細心の注意が必要です。

物理的・化学的性質

トリエチルアミンは、18.7℃未満では水と混和しますが、それ以上の温度ではわずかにしか溶けません。一方、アルコール、アセトン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒には容易に溶解します。引火点は-6.7℃と非常に低く、爆発限界下限も1.2％と低いため、引火の危険性が高いことに注意が必要です。空気中の酸素との接触により、長期間経過すると酸化を受け、N-オキシドを生成し、危険性を増す可能性があります。そのため、黄色く着色したトリエチルアミンは使用すべきではありません。

製造方法

工業的には、アセトアルデヒドまたはモノクロロエタンとアンモニア、水素を反応させることでトリエチルアミンが製造されます。エタノールを用いる方法も存在します。これらの化学反応は、厳格な管理下で行われる必要があります。

用途

トリエチルアミンは、その化学的性質から多様な用途を持ちます。主な用途としては、医薬品、界面活性剤、ゴム、除草剤、塗料などの製造が挙げられます。これらの製品において、トリエチルアミンは触媒や反応促進剤、あるいは原料として重要な役割を果たしています。

安全性と取り扱い上の注意

トリエチルアミンは引火性が高く、爆発の危険性も伴います。また、強塩基性であるため、酸や強酸化剤と反応し、分解する可能性があります。過マンガン酸カリウムとの反応は特に激しく、アンモニア、酢酸、硝酸に分解します。燃焼時にはアンモニアが発生するため、火災発生時の危険性も高まります。日本では消防法により危険物第4類（引火性液体、第1石油類、非水溶性液体）に分類されています。

取り扱いにおいては、換気の良い場所で作業を行い、適切な防護服・防護具を着用することが重要です。また、静電気の発生にも注意が必要です。保管は、密閉容器に入れ、直射日光や高温を避けて涼しい場所に保管してください。開封後は、なるべく早く使い切るようにし、長期間放置しないように注意しましょう。

関連物質

トリエチルアミンと構造的に関連する物質として、モノエチルアミンやジエチルアミンが挙げられます。これらの化合物は、トリエチルアミンと同様に、様々な工業用途で用いられています。

主要製造メーカー

トリエチルアミンの主要な製造メーカーとしては、三菱ガス化学やダイセルなどが知られています。これらの企業は、高品質なトリエチルアミンを安定的に供給しています。

まとめ

トリエチルアミンは、有用な有機化合物ですが、その引火性や反応性から、取り扱いには十分な注意が必要です。安全データシート（SDS）を熟読し、適切な取り扱い方法を理解した上で使用する必要があります。

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