トルコ東部地震 (2011年10月)

トルコ東部地震（2011年）の詳細

2011年10月23日13時40分（UTC+3）、トルコ東部のヴァン県でマグニチュード7.1の地震が発生しました。震源はイラン国境に近いヴァン県都ヴァン近郊で、この地震はアナトリアプレート内ではなく、ユーラシアプレートとアラビアプレートの衝突帯で発生しました。過去にもこの地域では1976年にM7.3の地震が発生しています。

地震による被害

地震により、約45棟の建物が倒壊しました。特にヴァン近郊のエルジシュでは、学生寮を含む約30棟が崩壊し、多くの住民が瓦礫の下敷きになりました。エルドアン首相は予定を変更して被災地を訪問し、軍を動員した救助活動を指示しました。また、ヴァン空港も大きな被害を受けました。

被災地では通信状態が悪化し、停電も発生したため、情報収集や救助活動が困難になりました。

トルコ政府と国際社会の対応

地震発生直後から、トルコ政府は災害対応のためにスタッフ1275人、車両174台、医療スタッフ290人、救急車43台、航空救急要員6台を投入しました。地元住民も救出活動に参加し、手作業での救助も行われました。

トルコ災害緊急事態管理局は、1300万トルコリラ（約700万米ドル）を緊急救助活動のために送りました。また、860万トルコリラ（500万米ドル弱）が慈善団体を通じて寄付されました。

10月27日時点では、3826人の捜索要員、医療スタッフ904人、捜索犬18頭、建設機材・機械651台が投入され、トルコ赤新月社によってテント25,185張りが配布されました。その他、集合シェルターテントやプレハブ住宅、ブランケット、寝袋、温かい食事が提供されました。

EUとNATOは弔意を表明し、トルコへの支援を申し出ました。また、アルメニア、アゼルバイジャン、ブルガリア、中国、デンマーク、グルジア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イラン、アイルランド、イスラエル、日本、コソボ、ニュージーランド、パキスタン、ポーランド、韓国、スウェーデン、スイス、台湾、ウクライナ、イギリス、アメリカなど、世界各国が支援を申し出ました。

アメリカのオバマ大統領は「私たちは困難な時を迎えた盟友トルコと共にいて、トルコ当局を支援する」と声明を発表しました。

救助活動と批判

当初、アゼルバイジャンからの救援が最初に到着しましたが、トルコ政府はアゼルバイジャンを除くすべての国の援助を辞退しました。ギュル大統領はトルコの救援チームだけで災害に対処できると述べましたが、地元選出の国会議員でありクルド系野党「平和民主党」の副代表であるナズミ・ギュルは、クルド人が多く住むこの地域の救助活動が政府の差別的対応により遅れたと主張しました。

その後の余震

2011年11月9日には、同じくヴァン県で余震が発生し、更なる被害をもたらしました。

関連情報

トルコの地震一覧
en:1941 Van-Erciş earthquake
* en:1976 Çaldıran-Muradiye earthquake

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