ヴァン

ヴァン (Van)

ヴァンは、トルコ共和国東部の都市で、ヴァン県の県都です。トルコ最大の湖であるヴァン湖の東岸に位置し、その美しい景観と豊かな歴史で知られています。かつては「ワン」とも表記されていました。

2012年の行政区画改編により、ヴァン県全域が大都市自治体に指定され、旧ヴァン市は廃止されました。その領域は、新たにトゥシュバとイペキヨルという2つの自治体として再編されています。イペキヨルはトルコ語で「シルクロード」を意味します。

歴史

ヴァンの歴史は古く、紀元前9世紀から紀元前6世紀にかけて、ウラルトゥ王国の首都トゥシパとして栄えました。その後、アルメニア王国の都市として発展を遂げます。

7世紀には東ローマ帝国の支配を受けますが、すぐにアラブ人イスラム教徒によって征服されます。アラブ勢力の衰退後、地域のアルメニア人統治者が力を持ち、アニ王国に頼りながらも、908年にヴァスプラカン王国の樹立を宣言します。ヴァスプラカン王国は特定の首都を持たず、ヴァンなどの都市を巡って裁判所が置かれました。1021年、ヴァスプラカン王国の最後の王であるJohn-Senekerim Artsruniは、領土を東ローマ帝国に引き渡しました。

11世紀に入ると、セルジューク・トルコがヴァスプラカンに侵入し、1071年のマラズギルトの戦いの勝利後、周辺一帯を支配下に置きました。その後、13世紀の20年間はルーム・セルジューク朝の支配を受け、1240年代にはモンゴル軍によって占領されました。14世紀には黒羊朝とティムール朝の支配下に入ります。

15世紀前半には、オスマン帝国とサファビー朝がヴァンの領有を巡って争奪戦を繰り広げました。1502年にサファビー朝がヴァンを占領しますが、1515年にはオスマン帝国が奪還。しかし、1520年にはサファビー朝が再び奪い返し、最終的に1548年にオスマン帝国がヴァンを支配することとなりました。

第一次世界大戦中の1915年4月20日、ヴァンに居住していたアルメニア人がオスマン帝国政府に対して蜂起し、一時的に町を占領しました。しかし、オスマン軍がすぐにヴァンに侵攻し、アルメニア人住民を追放、その際に多くの犠牲者が出たとされています。

2012年の行政区画再編により、ヴァン県全体が大都市自治体に指定され、旧ヴァン市は一部が隣接するエドレミットに編入され、残部はトゥシュバとイペキヨルに分割されました。

気候

[気候に関する詳細な記述を追加]

交通

トルコ国鉄
ヴァン駅

関連項目

トルコ東部地震 (2011年10月)

外部リンク

Governorship of Van (トルコ語)
* Municipality of Van (トルコ語)

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