トレド (原子力潜水艦)

USS Toledo (SSN-769)

トレド（USS Toledo, SSN-769）はアメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦の58番艦で、艦名はオハイオ州トレドに由来しています。この艦は、ボルチモア級重巡洋艦12番艦（CA-133）以来、トレドという名を冠した艦として3隻目にあたります。

艦歴の概要

トレドの建造は1988年6月にバージニア州のニューポート・ニューズ造船所で始まり、1991年5月に起工されました。進水は1993年8月に行われ、1995年2月には艦長ジャック・ロイ3世の指揮の下に就役します。トレドはその後、イラクの自由作戦に参加し、2003年4月にはニューロンドン海軍潜水艦基地に帰還しました。

2004年にはペルシア湾で「ジョン・F・ケネディ」空母戦闘群の一部として6ヶ月の配備が行われ、クレタ島やドバイ、バーレーンに寄港しました。この配備中、トレドはスエズ運河を経由せず、喜望峰を一周するルートを取っての帰路でした。その後、北大西洋を経てカリブ海での対麻薬作戦にも参加しました。

再度の任務は2006年1月に始まり、トレドはドバイやディエゴガルシア島を訪れ、7月31日にはこの配備を完了しました。8月10日には艦長の交代式が行われ、シュナイダー中佐が艦長として就任しました。

メンテナンスと修理

ノースロップ・グラマン社によりトレドのメンテナンスが計画され、初期経費は3470万ドルと見込まれましたが、実際には合計で1億7500万ドルに達しました。トレドは2006年11月中旬にニューポート・ニューズ造船所に到着し、およそ13ヶ月間のメンテナンス作業に入ります。その間、約10ヶ月は乾ドックでの作業が行われました。

クルスク事件に関する説

2000年8月、ロシアの潜水艦クルスクが沈没した際、トレドとメンフィス（USS Memphis, SSN-691）がその沈没に関与した可能性があるとの説が存在します。主張者は、クルスクの残骸に見られる二つの穴と、トレドが沈没から三日後にノルウェーに入港したことがその証拠であると考えています。しかし、ノルウェーとアメリカの軍は、当時現場近くにいた潜水艦のリストを発表しており、トレドはその中には含まれていません。また、ロシア政府はクルスクの悲劇が魚雷の爆発によって引き起こされたと公式に発表しています。

トレドの新たな母港

2025年7月12日には、トレドが新しくパールハーバー・ヒッカム統合基地に到着し、第7潜水戦隊に所属することになりました。この艦は、アメリカ海軍の重要な任務を担い続けています。

関連項目

• - アメリカ海軍艦艇一覧

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