トロント市地下鉄

トロント地下鉄は、トロント交通局（TTC）が運営するカナダ・トロントの地下鉄網です。1954年にカナダ初の地下鉄として開業して以来、トロント都市圏の発展と共に路線を拡大してきました。

概要

トロント地下鉄は、1954年にヤング線として開業しました。その後、ブロア・ダンフォース線、シェパード線と路線を拡大し、現在は3路線が運行中です。さらに、エグリントン線、フィンチ・ウェスト線がLRT（軽量軌道交通）として、オンタリオ線がライトメトロとして建設中です。これらの新路線は、既存の地下鉄網を補完し、トロントの公共交通機関の利便性を向上させることを目指しています。

歴史

1954年、ヤング線（現在の1号線の一部）がエグリントン駅からユニオン駅までの12駅で開業し、トロントの地下鉄の歴史が始まりました。当初は路面電車の地下化計画でしたが、後に本格的な地下鉄路線として整備されました。その後、1966年にブロア・ダンフォース線（2号線）、1985年にスカボロー線（3号線、後に廃止）、2002年にシェパード線（4号線）が開業し、トロントの地下鉄網は拡大していきました。2023年7月にはスカボロー線が廃線となり、トロントの地下鉄は新たな段階に入っています。

路線と駅

トロント地下鉄では、乗り換えの際にトランスファーチケット（乗換票）が必要な駅があります。

1号線・ヤング・ユニヴァーシティ線: 1954年開業の歴史ある路線で、U字型のルートを辿ります。ラインカラーは黄色で、ライン番号は1です。
2号線・ブロア・ダンフォース線: 1966年開業で、トロントを東西に横断する路線です。ラインカラーは緑で、ライン番号は2です。東端は、2023年に廃止された3号スカボロー線の区間を延伸して、シェパードイースト駅まで建設が進められています。
4号線・シェパード線: 2002年開業の比較的新しい路線です。ラインカラーは紫で、ライン番号は4です。

建設・計画中路線

3号線・オンタリオ線: 2022年に建設が始まったライトメトロタイプの路線で、2030年の開業を目指しています。1号線、2号線、4号線と同じタイプの車両を使用します。エグリントン線のサイエンスセンター駅と、GOトレインのエキシビション駅を結びます。この路線は、かつて計画された路面電車の地下化計画の一部を再利用して建設されます。スカボロー線の廃止に伴い、3号線の番号が与えられました。
5号線・エグリントン線: LRTタイプの建設中の路線で、2024年開業予定です。路線の半分は地下を走行します。ラインカラーはオレンジで、ライン番号は5です。
6号線・フィンチ・ウェスト線: LRTタイプの建設中の路線で、2024年開業予定です。ラインカラーはシルバーで、ライン番号は6です。超低床電車のシタディス・スピリットが導入予定です。



また、ヤング・ユニヴァーシティ線、ブロア・ダンフォース線、スカボロー線、シェパード線それぞれに延伸計画があります。その他、ジェーンLRT、ウォーターフロント・ウェストLRT、イーストベイフロントLRT等の建設計画があり、既存の市電のLRT路線化も含めて様々な計画が進んでいます。

廃止路線

3号線・スカボロー線: 1975年に開業した新交通システムで、一部が高架区間でした。2号線ブロア・ダンフォース線の東端が起点で、McCowanとKennedy間を結んでいました。老朽化やコストの問題から2023年7月に廃止されました。ラインカラーは青で、ライン番号は3でした。

車両

トロント地下鉄では、3路線合計で858両の車両が運用されています。シェパード線は4両編成、ヤング・ユニヴァーシティ・スパダイナ線およびブロア・ダンフォース線は6両編成で運行されています。これらの路線は連絡線で繋がっており、技術も共有されています。最新型のトロントロケットは2011年に導入されましたが、1995年導入のT1型車両が主力として活躍しています。

営業時刻

平日/土曜日: 午前6時頃から翌午前1時30分頃まで
日曜日: 午前9時頃から翌午前1時30分頃まで

トロント地下鉄は、毎日運行されており、終電後は線路や駅のメンテナンスのために駅構内への立ち入りはできません。深夜帯には、ブルーナイトネットワークと呼ばれる深夜バスが運行されており、300番台の番号が振られています。深夜バスの停留所は、通常のバス停に青帯が付されていたり、青色のデザインのものが置かれています。

その他

トロント地下鉄は、映画の撮影にも利用されることがあり、ニューヨーク地下鉄の代役として登場することもあります。1998年版の映画『サブウェイ・パニック』などがその例です。

外部リンク

TTC公式サイト

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