トヴェルツァ川

トヴェルツァ川：歴史を紡ぐロシアの河川

トヴェルツァ川は、ロシアのトヴェリ州を流れるヴォルガ川の左支流です。ヴァルダイ丘陵のヴイシニー・ヴォロチョークの東に源を発し、トルジョークやヴイシニー・ヴォロチョークといった主要な街を潤しながら、トヴェリ州の州都トヴェリでヴォルガ川に合流します。

ヴイシニー・ヴォロチョークとトヴェルツァ川の源流

現在のトヴェルツァ川の水源は、ヴイシニー・ヴォロチョークの南に位置するスタロトヴェレツキー運河（全長2.9km）とされています。この運河は、ツナ川上流のヴィシュネヴォロツコエ湖と繋がっており、ツナ川の流量の大部分がこの運河を経由してトヴェルツァ川へと流れ込んでいます。

交易路としての役割

中世以前、トヴェルツァ川はスカンジナビアとビザンチン帝国を結ぶ重要な交易路の一部でした。ヴァリャーグ（ヴァイキング）たちは、ムスタ川やツナ川を遡り、ヴイシニー・ヴォロチョークで船や荷物を陸揚げし、そこから程近いトヴェルツァ川へと運び入れました。

運河建設と水路の重要性

ピョートル1世の時代、ロシアの首都がモスクワからサンクトペテルブルクへ遷都された後、内陸部と新首都を結ぶために、ツナ川とトヴェルツァ川を結ぶ運河がヴイシニー・ヴォロチョーク市内に建設されました。この運河は1709年に完成し、19世紀初頭にマリインスク運河が完成するまで、ヴォルガ水系とバルト海を結ぶ重要な水路として機能しました。

トヴェルツァ川の現在

トヴェルツァ川は通常、11月から1月初頭にかけて凍結し、3月末から4月にかけて氷が解けます。現在もトヴェルツァ川は、その流域の人々の生活を支えるとともに、ロシアの歴史と文化を伝える重要な役割を担っています。

もう一度検索