ヴイシニー・ヴォロチョーク

ヴイシニー・ヴォロチョークは、トヴェリ州に位置する歴史的な都市です。1471年の文献にその名が登場することからも、その歴史の古さがうかがえます。モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶモスクワ・サンクトペテルブルク鉄道やロシア連邦道路M10が通る交通の要衝でもあります。

地理

ヴイシニー・ヴォロチョークは、州都トヴェリの北西119kmに位置し、ヴァルダイ丘陵の南東側に広がっています。市内を流れるツナ川は、ムスタ川を経てイリメニ湖へと注ぎ込みます。また、近隣にはヴォルガ川の支流であるトヴェルツァ川の源流があり、バルト海水系とヴォルガ川水系の接点という地理的な特徴を持っています。

名称の由来と歴史

街の名前「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は、ロシア語で「上流部の連水陸路」を意味します。これは、かつてバルト海方面からツナ川を遡ってきた船乗りたちが、ここで船と荷物を陸揚げし、歩いて運び、トヴェルツァ川で再び船に積んでヴォルガ川流域へと進んでいたことに由来します。この交易路は、ヴァリャーグ（ヴァイキング）の時代には、スカンジナビアとビザンチン帝国を結ぶ毛皮などの貿易経路として重要な役割を果たしていました。

水運と発展

ピョートル1世は、モスクワからサンクトペテルブルクへの遷都後、新首都とロシア内陸部、そして西ヨーロッパを結ぶために、1703年からこの地で運河建設を開始しました。この運河建設は、繊維産業の集積を促し、街の発展に大きく貢献しました（ヴォルガ・バルト水路）。19世紀初頭までは、この運河がロシアの二大都市を結ぶ主要な水運路として機能していました。

鉄道の開通と繁栄

19世紀半ばにはモスクワ・サンクトペテルブルク鉄道が開通し、ヴイシニー・ヴォロチョークは両都市の間の主要駅として繁栄を極めました。鉄道の開通は、人や物資の輸送を飛躍的に向上させ、街の経済発展をさらに加速させました。

ヴイシニー・ヴォロチョークは、その地理的な特性と歴史的な背景から、水運と鉄道の要衝として発展し、ロシアの歴史において重要な役割を担ってきた都市と言えるでしょう。

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