ドイツ民主共和国の最高指導者とは？意味をやさしく解説

ドイツ民主共和国の最高指導者

[ドイツ民主共和国]]（東ドイツ）において、国の政治を主導し、最終的な決定権を有していたのは、ドイツ社会主義統一党]の[[中央委員会書記長でした。本稿では、その歴代最高指導者を概観します。

概要

東ドイツでは、SEDの中央委員会書記長が事実上の最高指導者として国政を主導しました。書記長は党の意思決定機関である政治局を主宰し、その多くが国家元首である国家評議会議長や、国家人民軍最高司令官である国防評議会議長を兼任し、権力を集中させていました。これは、ソビエト連邦共産党書記長と同様の権力集中構造でした。

東ドイツ最初の最高指導者であるヴィルヘルム・ピークとオットー・グローテヴォールは、SEDの共同議長でしたが、実権は書記長のヴァルター・ウルブリヒトが掌握していました。ウルブリヒトは、党中央委員会書記長というポストに最初に就任した人物でもあります。1953年には、ソ連共産党に倣い、書記長から第一書記に名称が変更されましたが、1976年には再び書記長に戻されました。このポストは、名実ともに党の最高ポストとなり、東ドイツ最高指導者の代名詞となりました。

ベルリンの壁崩壊以前は、国家元首ポストとして共和国大統領、国家評議会議長が存在し、最高指導者の多くがこれらを兼任していました。また、ソビエト連邦と同様に、最高指導者、国家元首、首相にそれぞれ別の者が就任し、国政を行うトロイカ体制を取っていた時期もありました。

歴代最高指導者

ヴァルター・ウルブリヒト
エーリッヒ・ホーネッカー
エゴン・クレンツ

トロイカ体制

東ドイツにおいては、複数の実力者が組織を指導・運営する集団指導体制（トロイカ体制）が取られることがありました。東ドイツ初のトロイカは、ヴァルター・ウルブリヒト、ヴィルヘルム・ピーク、オットー・グローテヴォールによる集団指導体制でした。その後も、同国でトロイカ体制が度々発生しました。しかし、多くの最高指導者が国家元首である国家評議会議長を兼任していました。

ドイツ民主共和国の最高指導者