ドゥルダカ

ドゥルダカ・ノヤンの生涯

ドゥルダカ・ノヤン（Durdaqa noyan）は、13世紀後半から14世紀初頭にかけて大元ウルスとカイドゥ・ウルスの両方に仕官し、重要な軍勢を指揮したモンゴル人の武将である。彼はクビライ・カンの時代において高位の地位にあり、同行からの信頼も厚かったが、その後の対立劇の中で波乱に満ちた自らの運命を辿ることとなった。

生い立ちと出自

ドゥルダカの詳しい生い立ちは不明であるが、ペルシア語の史料『集史』において、彼がコンギラト系コルラウト部出身であり、チンギス・カンの時代から続く名門の家系であると記されている。初めは帝位継承戦争に際し、アリク・ブケに味方しつつも、特に積極的にクビライに対抗することはなかった。内戦が終息を迎えると、再びクビライに仕官したという。

大元ウルスでの丞相としての活動

ドゥルダカは大元ウルスの丞相に任命され、帝位継承を勝ち取ったクビライに仕官し続けていた。しかし、彼が活動していた時代は反クビライ派の王侯が存在し、特にカイドゥの勢力が影響力を増していた。ドゥルダカは、モンゴル高原でカイドゥ軍と対峙するための将軍に起用され、クビライに報告するなど高い地位にあったことが示されている。1270年代には、カイドゥ軍を撃退する功績を上げ、非常に重要な役割を果たした。

カイドゥ・ウルスへの亡命

しかし、1290年のカイドゥによる侵攻時、ドゥルダカは大敗を喫する。この敗戦により、彼はクビライの信頼を失い、密告を恐れてカイドゥ・ウルスに亡命することを決意する。彼はこの時期の記録について詳細が不明であるが、カイドゥ・ウルスにおいても彼の動向はよくわかっていない。

再帰還とその後の影響

クビライが亡くなった後、その死に伴う政権の空白がドゥルダカの帰還を後押しした。元貞2年（1296年）秋、ドゥルダカは再び大元ウルスに投降し、高位の将軍としての地位を保持していた。彼はオルジェイトゥ・カーンの下で再び軍を指揮し、カイドゥ・ウルスとの戦闘に従事した。ドゥルダカとともに戦ったトトガクをはじめ、数名の重要な関係者の信任を受けながら国防に貢献した。

結末

ドゥルダカ以降の生涯や最期に関する記録は不明であるが、彼の行動は当時のモンゴル帝国の中で重要な意味を持っていた。彼の如き人物がもたらす影響や政治的な力関係は、後のモンゴルの歴史においても評価されるべきものであろう。ドゥルダカ・ノヤンの生涯を通じて、彼が直面した政治的な困難や構造を知ることができる。

このように、ドゥルダカ・ノヤンの物語は、モンゴル帝国の複雑な歴史とその中での個々の生き様を映し出す重要な事例である。彼の成功や失敗は、当時のモンゴル社会における権力闘争の縮図とも言えるかもしれない。

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