ドゥース2世 (プロヴァンス女伯)

ドゥース2世の生涯と彼女の時代

ドゥース2世（Douce II、1162年頃 - 1172年）は、1166年から短期間プロヴァンス女伯およびジェヴォーダン女子爵の地位にあり、1172年にはメルグイユ女伯となりました。彼女はバルセロナ家の一員で、父方の祖母ベアトリスによって彼女の地位が確立されました。この家は、プロヴァンス女伯ドゥース1世との結婚を通じて、プロヴァンス伯領を獲得しました。

ドゥースの家族と婚約

ドゥースはプロヴァンス伯レーモン・ベランジェ2世とその妻リクサ・シロンスカの唯一の娘であり、彼女の人生は父の死を機に大きく動き始めます。1165年、ボーケールで結ばれた条約により、彼女はトゥールーズ伯レーモン5世の息子と婚約することとなりました。しかし、1166年に父がニース獲得を目指して出発した際に死去したため、ドゥースはプロヴァンス伯領を継承することになりました。

ドゥースが伯位を継承すると、トゥールーズ伯のレーモン5世はプロヴァンスに乗り込むが、彼の地位を確保するためにはドゥースの母親との結婚を狙いました。しかし、ここに干渉したのがアラゴン王兼バルセロナ伯アルフォンソ2世で、彼はドゥースの父の従兄弟にあたります。アルフォンソ2世は、1162年にフリードリヒ1世によって与えられた権利を根拠に、プロヴァンスに対する自身の権利を主張しました。

権力争いと結果

アルフォンソ2世の介入によって最終的に、レーモン5世の計画は崩れ去ります。彼は時間を稼ぐために手紙を書き、ドゥースとその母に対して結婚計画への同意を示しましたが、すぐに争いが勃発します。初期の敗北を経て、アルフォンソ2世はレーモン5世に対して勝利を収め、1166年末にはプロヴァンスに到着しました。

モンペリエの領主ギヨーム7世が最初にアルフォンソ2世に忠誠を誓い、他の家臣もそれに続く形で、ドゥースは領地を失うこととなりました。最終的には1168年、アルフォンソ2世はプロヴァンスを弟のラモン・ベレンゲルに与えましたが、ドゥースはなおもその称号を保持しました。

最後の日々と遺産

ドゥースはその後、父方の祖母ベアトリスの宮廷へ転居します。1172年の4月には、ベアトリスがドゥースと彼女の婚約者レーモンとの間でメルグイユの領地を分け与えることを決定しましたが、同年にドゥースは命を落とします。彼女の死後、叔母エルメセンドが領地を継承し、婚約者のレーモンと結婚しました。このように、ドゥース2世の生涯は短かったものの、彼女の円環はその後の権力闘争に重要な影響を与えました。

もう一度検索