バルセロナ伯

バルセロナ伯

バルセロナ伯（カタルーニャ語：Comtes de Barcelona）は、9世紀から17世紀にかけてカタルーニャ地域を支配した君主の称号です。この君主制は、カール大帝がエブロ川北部を征服した後に設立されたバルセロナ伯領から発展しました。バルセロナ伯領は当初、スペイン辺境伯領として知名度を高め、次第に地域内での主要な権力を確立していきました。

歴史的背景

バルセロナ伯領は他の伯領とともに、世襲制度によって世代を超えて受け継がれました。カペー朝がカロリング朝にとって代わった時期、バルセロナ伯とフランク王国との関係は次第に希薄になりました。11世紀に入ると、バルセロナ伯はアラゴン王国との同君連合を組成し、両国を一人の君主が治める体制へと移行しました。

1258年には、フランス王と結んだコルベイユ条約によって、バルセロナ伯領へのフランスの封建的宗主権が放棄されました。それ以降、バルセロナはアラゴン王国の一部としての地位を確保したまま、1500年前後にはカスティーリャ王国と統合し、現在のスペイン王国の形成へとつながります。

バルセロナ伯領は18世紀のスペイン継承戦争後その存在を失いますが、バルセロナ伯の称号はスペイン国王によって世襲称号として存続しています。さらに、アストゥリアス公はカタルーニャの貴族としてサルベラ伯及びバラゲー領主の称号も有していることから、カタルーニャの歴史には深い根を持っています。

20世紀とバルセロナ伯

20世紀に入って、この歴史的な称号は再び注目を浴びます。亡命していたスペイン・ブルボン家からフアン・デ・ボルボーン・イ・バッテンベルグがバルセロナ伯として名乗り、王位請求権を放棄した後、著名な称号への切り替えを行ったことは、実に象徴的です。スペインの独裁者フランシスコ・フランコの影響下で長男フアン・カルロスが後継者に選ばれ、フアンは1977年にその王位継承権を認められました。以降、フアンは1993年に亡くなるまで「バルセロナ伯」としての地位を保持しました。

バルセロナ伯の称号の変遷

バルセロナ伯の称号は、数世紀にわたって様々な流派に渡って受け継がれてきました。最初の伯領は801年から878年の期間は群雄単独の時代であり、879年から1162年にかけてはバルセロナ家が君臨しました。その後1162年から1410年の間はアラゴン家が権力を握り、ラモン・バランゲー4世とその妻ペトロニラによって形成されたアラゴン連合王国を通じてバルセロナとアラゴンを統治しました。

1412年から1516年の間はトラスタマラ家が君主となり、そして1516年から1700年にかけてはハプスブルク家が権威を持ちました。スペイン継承戦争の結果、王位はブルボン家に移行し、バルセロナ伯の称号もまた歴史の幕を下ろすこととなります。

結論

1714年にバルセロナがスペイン軍に陥落すると、カタルーニャの独自の政治や言語は厳しく抑圧され、名実ともにバルセロナ伯の称号はスペイン国王の名のもとに変化していきました。今日、この歴史的な称号はスペイン王が数多く持つ称号の一つとして残されていますが、彼らの豊かな歴史の象徴としての役割は依然として重要です。

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