モトリー・クルーの5th
アルバム『ドクター・フィールグッド』は、バンド史上初の全米
アルバムチャート1位を獲得した作品です。この
アルバムは、
ニッキー・シックスの薬物過剰摂取による一時的な心停止という危機的な状況を乗り越え、メンバー全員がドラッグを絶って制作に臨んだという背景を持っています。
それまでのパーティー・ロックの要素を色濃く残しつつも、「タイム・フォー・チェンジ」に代表されるように、心機一転、前向きなメッセージが
アルバム全体に散りばめられているのが特徴です。この変化が、結果的に全米1位という商業的な成功につながり、バンドにとって最大のヒット作となりました。
アルバムには、豪華なゲストミュージシャンが参加しています。
エアロスミスの
スティーヴン・タイラー、
チープ・トリックの
ロビン・ザンダーとリック・ニールセン、
ブライアン・アダムス、
ナイト・レンジャーの
ジャック・ブレイズ、そしてスキッド・ロウのメンバーたちが、バック・コーラスとして華を添えています。
プロデューサーは、
ボブ・ロックが担当しました。
メタリカの
ラーズ・ウルリッヒは、この
アルバムを非常に気に入り、
ボブ・ロックにプロデュースを依頼。その結果、
メタリカ最大のセールスを記録する同名
アルバム『
メタリカ』が誕生しました。
アルバムからは、「ドクター・フィールグッド」(全米6位)、「キックスタート・マイ・ハート」(全米27位)、「ウィズアウト・ユー」(全米8位)、「セイム・オール・シチュエーション」(全米78位)、「ドント・ゴー・アウェイ・マッド」(全米19位)といったシングルが次々とヒットしました。現在までにアメリカ国内だけで700万枚以上のセールスを記録しています。
「ドクター・フィールグッド」は1990年、「キックスタート・マイ・ハート」は1991年に、
グラミー賞のベスト・ハード・ロック・パフォーマンスにノミネートされましたが、残念ながら受賞には至りませんでした。
1998年と2003年のレーベル移籍の際には、ボーナストラックやエンハンスド・ビデオトラックが追加収録され、より魅力的な作品として再リリースされています。
収録曲
TNT - T.nT. (Terror 'n Tinseltown)
ドクター・フィールグッド - Dr.Feelgood
スライス・オブ・ユア・パイ - Slice Of Your Pie
ラトルスネイク・シェイク - Rattlesnake Shake
キックスタート・マイ・ハート - Kickstart My Heart
ウィズアウト・ユー - Without You
セイム・オール・シチュエーション - Same Ol' Situation (S.O.S.)
スティッキー・スウィート - Sticky Sweet
シー・ゴーズ・ダウン - She Goes Down
ドント・ゴー・アウェイ・マッド - Don't Go Away Mad (Just Go Away)
タイム・フォー・チェンジ - Time For Change
ドクター・フィールグッド(デモ) - Dr.Feelgood(Demo version) *ボーナストラック
ウィズアウト・ユー(デモ) - Without You(Demo version) *ボーナストラック
キックスタート・マイ・ハート(デモ) - Kickstart My Heart(Demo version) *ボーナストラック
ゲット・イット・フォー・フリー - Get It For Free *ボーナストラック
タイム・フォー・チェンジ(デモ) - Time For Change(Demo version) *ボーナストラック
キックスタート・マイ・ハート - Kickstart My Heart *エンハンスド・ビデオトラック
参加ミュージシャン
ヴィンス・ニール (Vince Neil) - ボーカル
ミック・マーズ (Mick Mars) -
ギター
ニッキー・シックス (Nikki Sixx) - ベース
*
トミー・リー (Tommy Lee) - ドラム