ドラコ・ロサ

ドラコ・ロサ：多才な才能を持つ音楽アーティスト

ドラコ・ロサ（Draco Rosa）は、1969年6月27日にアメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドで生まれた、グラミー賞受賞歴を持つミュージシャン、シンガーソングライター、音楽プロデューサー、そして俳優です。ロサンゼルスに自身のレコーディングスタジオ兼マルチメディアプロダクション「PHANTOM VOX」を所有しており、多岐にわたる活動を展開しています。

メヌード時代

1984年から1987年にかけて、ロサはボーイバンド「メヌード」のシンガーとして活躍しました。英語を母語とする初のメヌードメンバーとして、スペイン語圏以外でのバンドの人気拡大に貢献。アルバム『ハロー！メヌード（原題：Reaching Out）』は初の英語作品となり、シングル「ライク・ア・キャノンボール（Like A Cannonball）」は映画『キャノンボール2』の主題歌に起用されました。さらにグラミー賞ラテンアワードでは、マイケル・ジャクソンとクインシー・ジョーンズのプレゼンターも務めました。

1985年にはメヌードの一員として初来日を果たし、日本武道館でのコンサートや東京音楽祭への出演、ロッテのCM出演など、日本でも大きな人気を博しました。

1987年、ロサはバンドのマネジメントへの不満や楽曲制作への関与が認められない状況からメヌードを脱退しました。

ソロ活動

メヌード脱退後、ロサはブラジルで2枚のポルトガル語ソロアルバムをリリース。

1988年には映画『サルサ/灼熱のふたり』で主演を務め、共演者のアンジェラ・アルヴァラードと結婚しました。

1990年、オルタナティブロックバンド「マギーズ・ドリーム」を結成しアルバムをリリースしましたが、バンドは短期間で活動を休止しました。

1993年、ソニーミュージックと契約しソロアーティストとして活動を再開。

1994年に発表したアルバム『Frio』は、スペインでソングライティングが行われました。また、この時期にリッキー・マーティンのアルバムを共同プロデュースし、大ヒット曲「マリア」を生み出しました。

1996年には、フィル・マンザネラをプロデューサーに迎えアルバム『Vagabundo』をリリース。シングル「Madre Tierra」はラテン・ミュージック・アワードでベスト・ロック・ビデオ部門を受賞しました。

1997年、リッキー・マーティンのアルバム『ヴェルヴェ（原題：Vuelve）』をイアン・ブレイクという名でプロデュース。このアルバムは世界中で800万枚を売り上げました。

1999年、再びイアン・ブレイクとしてリッキー・マーティンのアルバム『リッキー・マーティン ～ヒア・アイ・アム～（原題：Ricky Martin）』をプロデュースし、全米1位を獲得。シングル「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ（Livin' la Vida Loca）」は世界的なヒットとなりました。

その後も、フリオ・イグレシアスなど、多くのアーティストに楽曲提供やプロデュースを行いました。

2004年にはアルバム『マッド・ラヴ（Mad Love）』をリリースし、シングル「クラッシュ・プッシュ（Crash Push）」はラテン・グラミー賞を受賞。同年、レニー・クラヴィッツとツアーを回り、アルバムのプロモーションのため来日もしています。

2007年には自身のプロダクションPHANTOM VOXからアルバム『Vino』をリリース。2009年、アルバム『Teatro Live』がラテン・グラミー賞でベストロックアルバム賞を受賞しました。

2011年に悪性リンパ腫と診断されましたが、闘病生活を送りながら音楽制作を続けました。

2013年には、リッキー・マーティン、シャキーラ、マーク・アンソニーなど豪華ゲストを迎えたアルバム『VIDA』をリリース。ビルボードチャートで1位を獲得し、ラテン・グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞しましたが、その後癌が再発しワールドツアーはキャンセルとなりました。

2014年、アルバム『VIDA』はグラミー賞ベスト・ラテン・ポップ・アルバム部門を受賞し、プラチナ・レコードにも認定されました。

エピソード

メヌードの絶頂期には、ブラジルでのコンサートで観客が殺到し死亡事故が起こりました。

スピン・マガジンはアルバム『Vagabundo』をトップ10ベストラテンロックに選出、エンターテイメント・ウイークリー誌はロサを「音楽業界最もクリエイティブな人たち100人」に選出しました。

プロデューサーとしての活動を一時休止した理由について、「ヒット曲を作り続けるだけでは情熱がなくなる」と語っています。

アルバム『Vino』では、レナード・コーエンの「ハレルヤ」とボブ・ディランの「いつもの朝に（One Too Many Mornings）」をカバーしています。

グラミー賞にノミネートされた際、授賞式に出席せず、ツアーを行っていたことについて「グラミー賞を取ったからといって、次に良い曲が書けるわけではない」と語りました。


ドラコ・ロサは、その多才な才能と情熱で、音楽界に多大な影響を与え続けています。

ディスコグラフィ

マギーズ・ドリーム

マギーズ・ドリーム（Maggie's Dream）（1990年）

ドラコ・ロサ（ロビ・ドラコ・ロサ）

Frio（1994年）
Vagabundo（1996年）
Songbirds & Roosters（1998年）
Libertad Del Alma（2001年）
マッド・ラヴ（Mad Love）（2004年）
コモ・メ・アクエルド（Como Me Acuerdo）（2004年）
Draco al Natural（2005年）
Vino（2007年）
Teatro Live（2008年）
Amor Vincit Omnia（2009年）
Vida（2013年）

外部リンク

Sony Music
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