ドラゴン・スープレックス

ドラゴン・スープレックスの解説

ドラゴン・スープレックス（Dragon Suplex）は、プロレス技の中でも特に人気が高く、特徴的な形態のスープレックスです。この技は藤波辰爾によって初めて公開され、彼のニックネーム「ドラゴン」に基づいて名付けられました。また、フルネルソン・スープレックスや日本名である飛龍原爆固めと呼ばれることもあります。

技の概要

ドラゴン・スープレックスは、相手をフルネルソンの体勢で捕らえた後、背後への反転投げを行う技です。相手の体は急角度で地面に叩きつけられるため、受身を取るのが非常に難しいという特徴があります。この技の危険度は高く、藤波はアメリカ修行時代にカール・ゴッチからこの技に関する重要な教えを受けたと言われています。そのため、ドラゴン・スープレックスはただの攻撃としてだけでなく、試合を終わらせるための強力な手段としても使用されています。

初めはブリッジを利用したフォールが主流でしたが、技術の進化に伴い投げっ放し式のドラゴン・スープレックスも使われるようになりました。この技によって、対戦相手は主に後頭部、背中、そして呼吸器にダメージを受けるとされています。

技の歴史

この技が初めて披露されたのは1978年のWWWF（現WWE）の試合で、藤波はカルロス・ホセ・エストラーダとの対戦でこの技を駆使し、ピンフォールを奪ってWWWFジュニアヘビー級王座を獲得しました。翌ヶ月の凱旋帰国試合では日本初公開され、その威力はファンや関係者に大きな衝撃を与えました。この技は「ドラゴン・ブーム」と呼ばれる当時のプロレス熱を牽引する要因となりました。

しかし、技の過激さから1978年の技初披露後は一時使用禁止にされ、藤波自身も控室で周囲からの冷たい視線を感じることがあったようです。その後、1985年には将軍KYワカマツとの抗争を経てこの技の封印が解除され、藤波は「タイミングが合えば誰でも投げられる」と豪語しました。

主な使用者

ドラゴン・スープレックスは藤波辰爾を始め、多くのレスラーによって使用されています。主な使用者には、前田日明、髙田延彦、武藤敬司、大森隆男、大谷晋二郎などがいます。特に藤波は1989年までこの技を駆使していたものの、その後は腰の故障から使用をやめました。武藤は1993年に橋本真也にこの技を試みた際、事故により前歯を失って以降は使用を控えています。

ドラゴン・スープレックスは、数多くの派生技も生み出しており、各選手のスタイルに応じた様々な形態が存在します。一部の技にはハーフネルソン・スープレックスやタイガー・スープレックス'85などが含まれ、これらはそれぞれ異なる技術やアプローチで相手を攻める手段として利用されています。

結論

ドラゴン・スープレックスは、その威力とスタイルからプロレスファンに広く知られる技の一つです。藤波辰爾によって導入されたこの技は、プロレスの歴史に多大な影響を与え、今なおレスラーたちによって引き継がれています。この技に魅了されたファンや選手にとって、ドラゴン・スープレックスは忘れがたい存在となっているのです。

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