ドラム (潜水艦)

概要

「ドラム」（USS Drum, SS-228）はアメリカ海軍に所属するガトー級潜水艦で、その艦名は特定のニベ科の魚たちの音に因む。この潜水艦は、ガトー級の中では最も早く竣工した艦艇であり、真珠湾攻撃の前に就役した唯一の艦でもある。その後「ドラム」は、アラバマ州モービルにある戦艦記念公園で博物館船として展示され、戦艦「アラバマ」と共に公開されている。

艦歴

「ドラム」は1940年9月11日にメイン州キタリーのポーツマス海軍工廠で起工し、1941年5月12日に進水しました。その後、ロバート・H・ライス艦長の指揮の下、1941年11月1日に正式に就役します。1942年春には真珠湾に移動し、数回の哨戒任務を遂行しました。

初めての哨戒（1942年4月 - 9月）

1942年4月17日、「ドラム」は最初の哨戒で日本近海に向かい、数回の攻撃を行いました。特に5月1日には、御前崎沖で中型艦船に魚雷を発射し、初めての戦果として水上機母艦「瑞穂」を撃沈しました。この攻撃により、「ドラム」は日本海軍に重大な損失を与えたことになります。

その後も「ドラム」は様々な艦船に対して攻撃を行い、重要な役割を果たしました。特に5月13日と25日には、輸送船の「昭南丸」と「喜多方丸」を撃沈するなど、戦果を積み重ねていきました。最初の哨戒は66日間続き、最終的には真珠湾に戻りました。

継続する哨戒（1942年9月 - 1943年7月）

続く哨戒でも「ドラム」は日本近海での行動を続け、数々の敵艦船を攻撃しました。特に1942年10月には「鎌倉丸」に対して魚雷を発射し、撃沈を記録しました。翌年も「ドラム」はビスマルク諸島方面での哨戒を繰り返し、敵輸送船団を攻撃しました。

戦後の活動

1946年に退役した「ドラム」は、1970年までの間、いくつかの施設で管理されました。その後、戦艦アラバマに寄贈され、モービルの戦艦記念公園に移動されました。そこで、1986年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財に認定されました。

「ドラム」は、数度の異なる自然災害にも見舞われましたが、修復を経て現在も訪問者に公開されています。これまでの軍歴において、12個の従軍星章を受章し、15隻の敵艦を沈めた実績があります。これらの戦果はアメリカ海軍の潜水艦としても高い記録の一つです。

創作作品への登場

「ドラム」はいくつかの映画に登場しており、戦艦記念公園での撮影シーンも存在します。特に、1992年の映画『沈黙の戦艦』や2016年の『パシフィック・ウォー』などで使用されています。

「ドラム」は、戦争の歴史や、潜水艦による戦闘の重要性を伝える重要な存在です。

もう一度検索