ドリュー・ストーレン

ドリュー・P・ストーレン：波瀾万丈な野球人生

ドリュー・P・ストーレン（Drew P. Storen, 1987年8月11日 - ）は、アメリカ合衆国インディアナ州出身のプロ野球選手（投手）です。右投両打で、「ホーメージ」の愛称で親しまれています。彼の野球人生は、輝かしい成功と苦難が入り混じった、まさに波瀾万丈と言えるでしょう。

プロ入り前

父マーク・パトリックは、スポーツ番組のパーソナリティとして活動していました。幼い頃からシアトル・マリナーズのファンで、ケン・グリフィー・ジュニアに憧れていたストーレン。2003年9月には、父の縁でモントリオール・エクスポズの練習を見学し、当時昇格したばかりのチャド・コルデロから大学野球の話を聞き、カレッジ・ワールドシリーズへの出場を夢見るようになります。

ブラウンズバーグ高校では、最終学年時に投手として8勝1敗、防御率0.89、86奪三振、打者として打率.400、8本塁打、33打点という目覚ましい成績を残しました。2007年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから34巡目指名を受けますが、プロ入りせず、スタンフォード大学へ進学します。

大学では、当初三塁手兼先発投手でしたが、コーチの勧めによりリリーフに転向。1年目の2008年から抑え投手を務め、チームをカレッジ・ワールドシリーズ出場に導きました。自身も大会に出場し、フロリダ州立大学との初戦では勝利投手になるなど活躍しましたが、チームは準決勝で敗退。大学時代の成績は、1年目が31試合5勝3敗8セーブ、防御率3.51、50奪三振、2年目が28試合7勝1敗7セーブ、防御率3.80、66奪三振でした。

プロ入り後

2009年のMLBドラフトで、ワシントン・ナショナルズから1巡目（全体10位）で指名され、プロ入り。入団後、マイナーリーグを経て、2010年5月にメジャーデビューを果たしました。同年は54試合に登板し、5セーブを記録。

2011年には、クローザーとして43セーブを挙げ、その実力を証明しました。しかし、2012年は故障で出遅れ、さらにディビジョンシリーズで痛恨の逆転を許してしまうなど、苦い経験も味わいました。

2013年には、ラファエル・ソリアーノの加入により中継ぎに配置転換され、成績不振からマイナー降格も経験。2014年は防御率1.12、11セーブと復活を遂げましたが、ポストシーズンで再びセーブに失敗しました。

2015年はジョナサン・パペルボン加入後もクローザーを務めましたが、ロッカーを殴って親指を骨折し、シーズンを終えるという不運に見舞われました。

ブルージェイズ、マリナーズ、レッズ時代

2016年、トロント・ブルージェイズへ移籍しますが、不調が続き、シーズン途中でシアトル・マリナーズへトレードされます。その後、2017年にはシンシナティ・レッズと契約しましたが、かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。

2020年には、フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結びましたが、メジャー復帰は叶いませんでした。

プレースタイル

ストーレンは、最速90マイル台中盤の速球と、スライダー、チェンジアップを組み合わせた投球が持ち味です。特に、速球の威力はメジャーでも屈指であり、多くの打者をねじ伏せてきました。また、マウンド度胸も良く、ピンチの場面でも冷静に自分の投球をすることができました。

選手としての特徴

ストーレンは、非常に負けず嫌いな性格としても知られています。一度失敗をすると、それをバネにさらに練習に励み、次の機会に必ず成功させようとする強い意志を持っていました。また、チームメイトからの信頼も厚く、常にチームのために全力を尽くす姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。


ドリュー・ストーレンの野球人生は、決して平坦な道のりではありませんでした。しかし、彼は幾多の困難を乗り越え、常に前向きに挑戦し続けました。その姿は、多くの人々に勇気と希望を与えてくれるでしょう。

もう一度検索