ドリームス (バンド)

ドリームス (Dreams): ジャズ・ロックの先駆者

ドリームスは、1960年代後半から1970年代初頭にかけて活動した、アメリカのジャズ・ロック・バンドです。ジェフ・ケントとダグラス・ルバーンを中心に結成され、当初はトリオ編成でしたが、次第に管楽器をフィーチャーしたバンドへと発展しました。

特徴

ドリームスの音楽は、ジャズの即興性とロックのリズムを融合させたもので、当時の音楽シーンにおいて独自の地位を確立しました。特に、ホーンセクションを重視したサウンドは、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズなどの同時代のバンドと比較しても、よりジャズに根ざしたものでした。

音楽プロデューサーとの出会い

バンドは、エディ・パルミエリ、ティト・プエンテなど、数々の著名なアーティストを手がけた音楽プロデューサー、フレッド・ワインバーグに見出されました。ワインバーグは、フィル・ラモーンと共に、ドリームスのデビュー・アルバムのレコーディングを担当しました。しかし、レコーディング中にCBSのスタジオの都合により、録音場所がシカゴに移されるというアクシデントもありました。

セカンドアルバム

2枚目のアルバム『イマジン・マイ・サプライズ』は、スティーヴ・クロッパーのプロデュースにより、メンフィスで録音されました。クロッパーは、このアルバムで、ドリームスの音楽性をより商業的にアピールするため、ファンキーなリズムを強調しました。

その後

ドリームスは、商業的な成功を収めたとは言えませんが、多くの優れたミュージシャンを輩出しました。ビリー・コブハム、ドン・グロルニック、ランディ＆マイケル・ブレッカー兄弟（後のブレッカー・ブラザーズ）など、後にフュージョン界を代表するアーティストたちが、ドリームスをキャリアの出発点としています。また、ジョン・アバークロンビー、ボブ・マン、ウィル・リーなども、ドリームスのメンバーとして活動していました。

メンバー

ジョン・アバークロンビー (John Abercrombie) - ギター
マイケル・ブレッカー (Michael Brecker) - サックス、フルート
ランディ・ブレッカー (Randy Brecker) - トランペット、フリューゲルホルン
ビリー・コブハム (Billy Cobham) - ドラム、パーカッション
ドン・グロルニック (Don Grolnick) - キーボード、ピアノ
ジェフ・ケント (Jeff Kent) - キーボード、ギター、ボーカル
ウィル・リー (Will Lee) - ベース
ダグラス・ルバーン (Douglass Lubahn) - ベース、ボーカル
ボブ・マン (Bob Mann) - ギター、フリューゲルホルン、ボーカル
バリー・ロジャース (Barry Rogers) - トロンボーン、チューバ
エディ・ヴァーノン (Eddie Vernon) - ボーカル

ディスコグラフィー

『ドリームス』 - Dreams (1970年)
『イマジン・マイ・サプライズ』 - Imagine My Surprise (1971年)

ドリームスは、短期間の活動でしたが、ジャズ・ロック、そしてフュージョンというジャンルの発展に大きく貢献しました。彼らの音楽は、今もなお、多くのミュージシャンや音楽ファンに影響を与え続けています。

外部リンク

AllMusicGuide
* ドリームス - Discogs（英語）

もう一度検索