ドルニエ 228

ドルニエ Do 228 (Dornier Do 228) について

ドルニエ Do 228は、ドイツのドルニエ社が開発した短距離離着陸（STOL）性能に優れた双発ターボプロップ旅客機です。1980年代初頭に登場し、その高い性能から地域航空や軍用、沿岸警備など、様々な分野で活躍しています。

開発の経緯

1970年代、ドルニエ社は新しい層流翼（TNT翼）を開発し、Do 28を改造して試験を行いました。この試験結果を基に、15人乗りのE-1と19人乗りのE-2という2つの新しい機体が開発されました。E-1はDo 228-100、E-2はDo 228-200と名付けられ、1982年に初就航しました。

1983年には、インドのヒンドスタン・エアロノーティクス社（HAL）がライセンス生産権を取得し、ドルニエ社とHAL社の両方で生産されるようになりました。1996年にドルニエ社が合併によりフェアチャイルド・ドルニエとなった後、Do 228の生産は1998年に一旦終了しましたが、2010年にRUAGエアロスペース社が型式証明を引き継ぎ、Do 228NG（新世代）として生産を再開しました。

Do 228NGの特徴

Do 228NGは、従来のDo 228をベースに、コックピットの電子化やプロペラブレードの5翅化などの改良が加えられたモデルです。これにより、運用効率や快適性が向上しています。特に、短距離離着陸性能はそのままに、最新の技術を取り入れたことで、より幅広い環境での運用が可能となりました。

日本での運用

日本では、1983年に日本エアコミューターが初めてDo 228を導入し、奄美群島での運用に活躍しました。その後、航空宇宙技術研究所（現JAXA）が実証実験機として導入し、現在も運用されています。

1999年には、新中央航空がDo 228を導入し、調布飛行場を拠点に離島路線で活躍しています。新中央航空は、2011年に世界で初めてDo 228NGを導入し、現在では主力機として運用しています。また、双日エアロスペースが日本における代理店を務めています。

新中央航空のDo 228導入の歴史

1999年：1機目 (JA31CA) を導入、調布 - 新島、神津島線に投入
2002年：2機目 (JA32CA) を購入
2006年：3機目 (JA33CA) を購入、新中央航空の定期便が全てDo 228での運航に
2011年：4機目 (JA34CA) を購入、世界初のDo 228NGを導入
2014年：5機目 (JA35CA) を購入、Do 228NGとしては2機目
2016年：6機目となるDo 228NG機 (JA36CA) を導入
2019年：7機目 (JA37CA) を購入
2023年: 8機目(JA30CA)を導入。

新中央航空は、Do 228NGへの機材更新を進めており、より安全で快適な空の旅を提供しています。

その他

かつて、壱岐国際航空が元日本エアコミューターの機体で福岡 - 壱岐線を運航していましたが、現在は運航を休止しています。また、格安航空会社のエアァシェンペクスが、元日本エアコミュータの機体を運用する計画がありましたが、資金不足により実現しませんでした。

Do 228-212の主な諸元

乗員：2名
乗客：19名
機体長：16.56 m
翼幅：16.97 m
機体高：4.86 m
翼面積：32.00 m2
乾燥重量：3,258 kg
最大離陸重量：6,400 kg
エンジン：ハネウェル製TPE331-10GP-511D型 560 kW (776 馬力) × 2
最高速度：434 km/h
航続距離：1,037 km
実用上昇限度：7,534 m
* 上昇率：570 m/min

まとめ

ドルニエ Do 228は、その高いSTOL性能と信頼性から、地域航空、軍用、沿岸警備など幅広い分野で活躍しています。日本では、新中央航空がDo 228NGを主力機として導入しており、離島路線での重要な役割を担っています。また、JAXAも研究用機として運用を続けており、今後もその活躍が期待されます。

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